魔法使いと使い魔の日常 ラスト
「なんだそれ、面白そうだな。やってみっか!」
そう言って、俺は猫の体と自分の体を入れ替えた。
白い魂のようなものが抜き出て、猫に入る。
また、猫の魂も、俺の体の方に入っていった。
急に目線が下がった。
そして、スックと二足で立ち上がり、周りを見る。
そこには、俺が4つんばいになってニャーと言っているではないか。
「おい、猫!ちゃんと2本足で立ってくれよ! 気持ち悪いなっ」
「ご主人こそ、ちゃんと4つんばいで歩いてください!気色悪いですよっ」
そう言われても、普段2本足で立っているため、4つんばいは妙に歩きにくい。
猫の方も、2足歩行は初めてのようで、ぎこちない風だ。
「ご主人!この体すっごい動かしにくいですっ」
そう言って段差に思いっきりつまずく。
「おいおい、俺の体だぞ」
「あいたた、しまった!起き上がる方法が分かりません!」
俺も俺に駆け寄ろうとしたが、前足と後ろ足が同時に出て前に進まない。
くるくる回っている。
「おい!どうやって進むんだこの体!」
「こっちのセリフですよご主人!」
足をバタバタさせているだけで、起き上がれそうにない。
まるでおもちゃのロボットが転倒した時のようだ。
「くっそ、全然進まねえ!」
「もとに戻りましょう!」
そうして、2分で元の体に戻った。
2人とも全身に汗をかいている。
「はあ、はあ」
「はあ、はあ」
「と、とりあえず、この魔法は二度と使わない方が良いな」
「そ、そうですね……禁術にしましょう」
こうして、しばらく猫と俺の生活は続き、猫は飽きてどっかに去っていった。
終わり
書いてて爆笑してしまったw