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美女と天女  作者: 美貝
PROLOGUE
9/66

出会い5


「お、お前先生なのか?高校生にしか見えないけど。すっげー!!今、何歳なんだ?俺と大して変わんないだろ」



おいおいお前さん、女性に年齢と体重を聞くのは地球崩壊を招くほどのタブーだって幼稚園で教わらなかったのかい?


あたしに年齢を聞くんじゃないよ。

でも、可愛いからな…ヒントくらいあげてもいいけど。



「20代だけど」

「20代じゃ分かんねーよ。実際、何歳なんだよ」



はるかちゃんは食い下がる。

くっ、どうしても知りたいか。

あたしの年を。

ってか何でそんなに聞きたがる。



「おい、はるか。そんな年増の鼻血ブーちゃんは置いといて、ちょっとこっち来いよ。新入生の実力チェックしたいから、お前ちょっと相手しろよ」



あっれ~?後ろから、すっごくムカつく言葉が聞こえるぞ?


ピクピクとひきつった笑いを後ろに向けると、さっきの林檎頭がこっちに歩いて来るのが見える。

女の子たちの熱い視線を一身に浴びながら、それに見向きもしてない。


ってか、その距離でさっきの会話聞こえたの?

どんだけ地獄耳だよ。

さすが、体育会系。



「おい、響、お前失礼な事言うなよ。ってか、俺、今会話中なんだから邪魔すんなよな」

「あぁん、お前いつから俺様にそんな口きけるようになったんだ?」



林檎は、はるかちゃんの後ろから腕を回し首を締め上げる。


おいお前、それは空手じゃなくてプロレス技だ。

ってか、あたしのエンジェルに触るな。

はるちゃん、まじで苦しそうにあんたの腕をたたいてるから。

これ以上、あたしの怒りを煽るんじゃないよ、お前。



「ちょっと、ひじき君」



ひじき君は、軽く10人はやっちゃえそうな目であたしをギロッと睨んだ。


ひぃっ!

何なの、あんた。あたしまだ何もしてないんだけどぉぉ。



「おい、お前今何て言った」

「ちょっと、ひじき君」

「俺は、食いもんじゃねぇ!ひびきだ、ひ・び・き!」

「あ、ごめん」

「おいサラッと謝んな。怒りにくくなるだろうが」



ひじき、もとい、ひびき君は目を細めて、あたしをジロジロ上から下まで舐めるように見て吟味する。



はんっ(・´∀・`)



おい。

その笑いはどういう意味だ?

何だ、その勝ち誇ったような顔はよ?

こいつ殺したろか。


「はるか、こいつの年が知りたかったんだろ。20代だって?100歩譲ってこいつの顔を立ててやって、せいぜい29だろ。こんな年増じゃなくても、今年も可愛い子いっぱい入って来てんぜ」


「おいいいいい!あんた!それは、いくら何でもあたしが可哀想だ!あたしはまだピッチピチの24歳だ!」


「へぇ、お前24歳なのか。それで先生なのか?!すごいな!な!!何教えてんだ?」



はるちゃんが、首を締め上げられながら、キラキラした目であたしを見つめる。


ああ、エンジェル。

こんな林檎だかひじきだか分かんないようなバカと並べると、よりあなたが神々しく見えるよ。



「あぁ?お前、先生なのか?こんなのに教わらなきゃならないなんて、世も末だな」



・・・響君。

あたし達、今日が初対面だよね?

何で、そんなに敵意満々で食いついてくるのかな?

そんなに、あたしが気に入らないの?


あ、あたしが可愛いから嫉妬してんのかしら?

バカね。

あたしほどじゃないけど、あんたの顔も悪くはないわよ。



「お前、何か失礼なこと考えてんだろ」



Oops!


危ない危ない。

ちょっと顔に出るところだった。

あたしとした事が。


もう先生なんだから、こんな些細な事で感情を振り回されてたらプロ失格だわ。



「あたし、初級英語と通訳演習を教えてるの。初級は基本的に新入生が対象だし、通訳演習は専攻の子が取るから、あなた達が受ける授業を教える事は無いと思うわ」



プロっぽくキリッと答えてやったわ。

ははん、見たか。

あたしはこんなに可愛くて、頭も良いスーパーウーマンだっつの。


馬鹿にすんじゃないよ。伊達に24年生きて来てないんだ。


ちょっといい気分でモデルみたいに髪をかき上げる。


こんなに綺麗な先生がいるなんて信じられないんだろ。


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