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美女と天女  作者: 美貝
PROLOGUE
7/66

出会い3

次の子は、個人で形の披露かな。


可哀想に。

隣の二人組が気になるんだろうね。

形を披露しながらも、ちらちら右の方に目を向けてる。


細身の体にくたびれた稽古着が良く似合っててかっこいいよ。

背も高いし、顔も直視すると血圧100は上がるんじゃないかってくらいイケてる。

明るい茶髪も、超好印象。



ほんと、何なんだ、この集団。



武道のくせに、しかも男集団なのにすごく華やかだな。

特別目立つことしてる訳でもないのに、イケメンが並んでるってだけで、こんなに場の雰囲気が変わるんだ。


もちろん、みんな黒帯。

強いんだろうね。

うん、素人でも見たら分かるよ、技のキレとか半端ない。

林檎と葡萄ですら、一発当てられたら昇天するんじゃん?ってくらい、凄まじい技達を繰り出してる。


そりゃ人も集まるわ。このレベルなら、金出してでも顔拝みたいとまで思ってしまうもんね。

ずっと見ていたいけど、他のも見て回らなきゃだしな。


最後にもう一回、顔を拝んでこう。


あたしは、また主将から順に綺麗な顔と身体を目に焼き付けていく。


ああ、カッコよくて美しい。

あたしの自信が崩壊していく。


あれ?

あの世話役っぽい茶髪の子の次にもう一人いるくね?

小っちゃいから気付かなかった。

でも技のキレは抜群だね。


けっ。どうせイケメンなんでしょ。

あたしはまた綺麗な顔を拝もうとチラッと目線をあげる。

そして、思わず二度見してしまった。




はるかちゃん!




一昨日の天女が、目の前で一生懸命技を繰り出している。

その顔は真剣そのものだ。

なのに、どうしてそんなに可愛いの。


男しか入れない空手部に、どうして可憐なあなたがいちゃってるの?

訳が分からない。

頭の中でクエスチョンマークがあっち行ったり、こっち行ったり暴走してる。



どんっ。



痛っ!



はるかちゃんを凝視してたら、後ろから誰かに押された!


不意打ちで足が踏ん張れない。

やばい、こける!


あたしは、衝撃に備えるために、手を前に出す。


くそっ、押した奴殺す!とか思いながら、近づいてくる床を見つめ、衝撃に備える。



ピタッ。



あ、あれ?

接近していた床が止まった?何が起こったの?

それに、お腹のこの圧迫感。


お腹を見ると、華奢な白い腕がしっかり回ってる。

視線が腕のもとへ辿ってく。


そこには、一昨日から私の頭を離れない天女が立ってた。

小さくて華奢なのに、あたしの身体を片手で軽々支えてる。



「おい、大丈夫か」



天女は、心配そうな顔をあたしの顔に寄せて、かのハスキーボイスを聞かせる。


ああ、だめだ、近すぎる。

あたしには刺激が強すぎる。



タラー・・・



あたしは、自分の鼻から何かが垂れていくのを感じた。


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