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美女と天女  作者: 美貝
PROLOGUE
6/66

出会い2

人混みをかき分け何とかパフォーマンスが見える位置まで滑り込む。


サッサッと空気を切る小気味よい音が耳に入ってきた。

目には、使い込んだんであろう乳白色の稽古着が。

空に向かって拳が何度も繰り出される。

と、思ったら次は足が綺麗に正面に上がる。


男子空手部のパフォーマンスなんだ。

カッコイイな。


そう言えば、他の先生がここの大学は空手部は全国レベルだって言ってたな。

練習がきつすぎて女子はついてけないから、結果的に男子のみの部になってしまったとか。


でも、何でこんなに人だかりが出来てるんだろ。

強いって言っても空手って今の日本じゃマイナーなスポーツなんじゃないの?

私は怪訝に思いつつも、パフォーマンスにちゃんと目を向ける。



あ!

なるほどね。

そっか。そりゃ、こんな人も集まるわ。

完全に理解した。




(☼ Д ☼)




何だこれ、全国から誰かスカウトして選りすぐって来たのか?

何っだ、このイケメン達。


え、ドラマの撮影とかじゃないんだよね?

あたしは、きょろきょろとカメラを探す。

ない。


うわーうわー、まじでか。

一昨日の天女と言い、ここの大学本当にレベル高いな。


あたしの自分の美貌に対する鋼鉄の自信が、果てしなく揺すぶられているよ。


あたしは、じとーっと目の前でパフォーマンスを繰り広げる6人のイケメン達に右から順に目を向ける。

恨めしい視線だって分かってても、止められない。


一番右端のが主将かな。

ガタイいいなぁ!

胸板ぶ厚っ。

短い髪をワックスで立ててる。

すっごい爽やか。真剣な顔から滴る汗がセクシーだな。

正統派スポーツマンだ。

見てるこっちも清々しくなる。


順番的に次のが副主将か。

わー、これはまた、クールビューティだな。

肩まではあるであろう漆黒の長髪を、後ろで一つに束ねてる。

え、いいの、それ?スポーツとしてありなの?

でもね、繊細な顔立ちにすっごい似合ってる。

簡単そうに技を出してるけど、きっとすっごく高度な技達なんだろうな。


次の二人は、組手のパフォーマンスか。


・・・うん。

何か、この二人は入る部を間違えたんじゃないかな。

なぜって。

まず、目に入るのが素晴らしくアレンジされた稽古着だよね。いくらパフォーマンス用とは言え、稽古着を改造するのはアウトなんじゃないか?


いや、めちゃめちゃカッコいいけどね。

古より伝わる無形文化財が、果てしなくポップなものに様変わりさせられてるよね。肩のドラゴンの刺繍とか、首や耳、足首についたアクセサリー。

髪も、何て美しい赤と紫。例えるならば、林檎色と葡萄色ってとこか。極甘だな。


お御顔の方も、極甘だ。

林檎は大きめの垂れ目に高い鼻、悪戯好きが予想される笑いをかみ殺してる形の良い唇。

葡萄の方は、切れ長な目元がよだれが出るほどセクシーだ。スッと通った鼻筋に…あ、舌なめずりした。薄い唇がちょっと光ってる。やばい、悩殺されるじゃん。


組手を披露しているはずなんだけど、ちょこちょこ、え、違うよね?って動きが混じってる。真面目にせんかい、とか突っ込みたくなるわ。

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