WEDNESDAY- A Day Off 10
やる気ちゃんとダル気ちゃん、久しぶり!
あたしの可愛い子ちゃん達♡
どうしていつも、正反対の事言っちゃうの?
まじ困るんだけど♡
しかも、今日はどっちも互角の力を持っているね?
あたしはどっちの肩を持ったらいいのかしら?
ぬ~ん悩む・・・(ू′o‵ ू)
そうこうしてる内に、彼、第○回目の御登場だよ。
あぁ・・・。
ダル気ちゃん、ごめん!
あたし、基本的にはいつもやる気ちゃん寄りだから!
ちょっと今日はやる気ちゃんの肩持つから勘弁して。
あたしは、意を決して立ち上がった。
お会計をサクッと済ませて外に出る。
あんだけ長居して、ポットとカップ使いまくって、茶葉とコーヒーフレッシュも大量に消費して432円!
安い!
Nathan!
あんた最高だよ!
まじ、庶民の味方!ってか、あたしの味方!
あたしゃ、あんた無しじゃもう生きてけない!༼;´༎ຶ ༎ຶ༽
Nathanに対するあたしの愛情がドラマチックに表現された光景が胸の中で展開するのに合わせて、あたしの足もドラマチックに黒髪クールビューティーに向かって歩を進める。
あぁ~近づいてく・・・近づいてくよ、あの麗しいお方に。
あたしの可愛さも、彼に並んだら間違いなく霞むね。
明らか過ぎて、敗北感すら出て来んわ。
あたしは颯爽と歩く湊人君の後ろを追いかける。
そして、やる気ちゃんの助けを借りて、声を出した。
勇気!
「あ、あの!」
長身の彼がピタッと足を止めて、振り向く。
視線の先に何もなかったためか、それが徐々に下におろされてく。
そして、あたしの視線とぶつかった。
彼の目は春果君のチョコレートの瞳とは違って、その綺麗な髪と同じく漆黒なんだ。
本当に日本的だな。
袴とか、めちゃくちゃ似合いそう。
髪長いからちょんまげとか出来そうだし、侍のように殺気に満ち溢れているって言いうかね。
わー、なんて深い眉間のしわ。
君は常にキレてるのかな?
響君と言い、空手部はキレ児が多いのかい?
湊人君が何も言わないから、仕方なくあたしがまた会話の主導権を握る。
「えっと、先週お会いしたパーカーなんだけど・・・」
彼は、眉間に皺を寄せたまま顔を傾ける。
でも、何も言わない。
話を続けろって事なのかしら?
ひぃん、何考えてるか分かんないよ、湊人君!( ;∀;)
それに何て威圧感だ。
「あの、ひょっとして道に迷ってるんじゃない?
あたしで良ければ案内するけど・・・。
今朝、何時間もここ歩いて回ってるから、どこに何があるか分かるし・・・」
あたしは、何故かしどろもどろでオファーする。
何で良い事してるはずのあたしが、こんな居たたまれないポジションに置かれてる訳?
湊人君は、未だに何も言わず怖い顔であたしを見下ろしてる。
怖い・・・怖いって、ねぇ。
やめようよ、その顔。
ってか、何で眉間にそんなしわ寄せてて、それでもそんなに麗しいの?
意味分かんないんだけど。




