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美女と天女  作者: 美貝
空手部勧誘から逃げきれ!--WEDNESDAY
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WEDNESDAY- A Day Off 9


オリエンテーションの時の響君を彷彿とさせる、周りの目なんて全く気にせず颯爽と歩くその姿。



イケメンはこんなの日常茶飯事だから、敢えて気にする事もないのかな。



慣れってすごいね。




あたしも最早ザワつきにも慣れちゃったから、しばらく歩いている湊人君を観察したらまた自分の作業に戻った。



検索に引っかかって来てる文献タイトルに目を通す。



興味を惹かれるタイトルを片っ端からクリックして、新しいタブを開いていく。



うふふ、この後の本当に今読む価値があるかどうか吟味する時間が一番の至福の時なんだよねぇ。



あたしにとって、より良い自分に向かってってるって確信が持てる瞬間だもん。



それに、この事知りたい、とか、知ってる先生の書いた論文だ、とかワクワクする事がたくさんあるし。






ザワッ








そうこうしてたら、また周囲がザワつく。



お客さんがコロコロ変わるからね、新しい客が来る度に彼らが外の麗しい生き物に対してそれなりの反応を見せるのは仕方ない事だよね。



何故かこの辺にたくさん用があるのか、湊人君は今日ここらを行ったり来たりブラブラしてるみたいだし。





・・・。






集中集中。










十分後。




ザワッ




・・・。







二十分後。




ザワッ





・・・。








三十分後。





ザワッ






・・・。







四・・・







待て待て待て!





おかしくない?!


えっ、おかしいよね?


何かが違うよね?






何で十分おきにザワついちゃってる訳?



何してんの、湊人君?



君さぁ、ひょっとして・・・ひょっとしてなんだけど、道に迷ってる?



潔いほどに躊躇ない足取りで、視点にも一瞬のブレもなく歩いてるんだけど・・・。



まさかの迷子ちゃんなの?






どうしよう。



これってヘルプしてあげた方がいいのかな。



だって、彼、今日ここ何回通った?



実は既にかなりの回数通ってるよね?



顔見知り程度の知り合いだけど、知ってる人が助けてあげなきゃ、彼一晩中ここ歩いちゃうんじゃない?




・・・。





自分の中で葛藤が繰り広げられる。




(やる気ちゃん)


早くヘルプに行ってあげなさいよ!


彼、困ってんの、見たら分かるでしょう?


自分が助けられる立場にいて、困っている人を助けないなんて最低だよ!


絶対後で後悔するよ。


善は急げなんだから、早く行きなさい。






(ダル気ちゃん)


ってか、顔見知りって程ですらなくね?


武道場に行った時は、こっちの存在を無視して鏡磨いてたし、終わったら今度はキレてんの?ってくらい眉間に皺寄せて後ろに立ってたじゃん?


で、言った言葉は早く帰れ、だぜ?


今行ったって、どうせ余計なお世話だ、あっち行けで終わるって。

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