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美女と天女  作者: 美貝
空手部勧誘から逃げきれ!--WEDNESDAY
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WEDNESDAY- A Day Off 7



あたしも、ここまで他者の関心を引きつける芸能人に興味が出て、ついにチラッと街へ目をやってしまった。



くそっ、あたしの仕事に対する情熱が、何かに負けた感が半端ない。





窓の外では賑やかな街通りを長身のスリムな男性が迷いない、決意こもる足取りで歩いてる。



周囲の視線を引きつけて、自然に彼の進む方向にいる人たちが道を開けてるから、みんなが誰を見てるのかすぐに分かった。



確かに、雰囲気だけでもカッコいいな。



肩にかかる長めの黒髪が風にサラサラとなびいていて、清々しさを醸し出している。



キチッと決まった月白のお洒落なシャツにラフな濃藍のパンツを合わせた清潔感溢れる服装も非常に好印象。



雰囲気だけでイイ男オーラがむんむんしている。




なのに腕には、可愛らしいパンパンのエコバッグが提げられてる。




ギャップ萌え狙ってんの?



いや、まじ萌えるけどね。(*´Д`)ハァハァ





そりゃ、騒がれるはずだわ。




あたしは更に視線を上へあげて、おばちゃんに(ウザいほどに)可愛いと叫ばしめた御顔を拝顔する。







Wow...。





確かに、すっごく綺麗な顔。





中性的で男とも女とも取れそうな、見惚れるほどに整った顔立ち。



見ているのがバレたら気まずいから、あたしは一瞬だけ綺麗な顔を拝ませてもらったら、すぐテーブルに視線を戻す。




ティーセットやパソコンにペーパー類が乱雑に散らばっている。


あぁ、この生活観溢れる空間。




かの美男子がかもし出すオーラとの何て違いだ。





でも良いモノ見れて、幸せな気持ちが更に増したわ。





おばちゃん、うるさいとか思ってごめんね。





苦情言うつもりだったんだけど、確かにあれはやばいわ。



天然記念物ばりにイイ男だわ。



あたしは一人でうんうん、と納得して頷く。







ん?







・・・って、え?








あれ?






何かに気づいちゃった、自分。



バッと再度、窓の外に目を向ける。



今度は、目を細めて眉間にしわを寄せて、再びかの麗しいお方のお美顔を拝顔する。



|д꒪ͧ)…




あれ?




あたし、あの人知ってるくね?







窓に手をついて、更に目を凝らす。




視力1.5の目が、雑踏を掻き分けて躊躇なく進む彼の姿に焦点を合わせる。





カッ!!(◞≼◉ื≽◟ ;益;◞≼◉ื≽◟)





思わず見開かれちゃうあたしの目。







うふふ、今日はオフの日だってのにね。




こんな大学と離れた街中で・・・




つくづく縁があるんだな、あたし。




哀しきかな。





それは、先週武道場に行った時に、一心不乱に鏡を磨いていた湊人君だった。




ってか、こんだけ人の目を集めるって湊人君まじすごいな。

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