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美女と天女  作者: 美貝
空手部勧誘から逃げきれ!--TUESDAY
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TUESDAY -Beginner-level English 5


春果君は、間違いなく努力家だ。


履修してないのに宿題をして来るのは彼だけだ。


この一点だけ見ても、彼が他の学生からちょっとかけ離れた位置にいるのが頷ける。



そして、素直。



素直な学生は伸びるんだよね。


注意された事を素直に聞いて直すから、どんどん向上してける。



素直でいるためには、芯が強くないと、と思う。


自分のweakness(弱さ)を見つめれないと、そこを改善しようがないんだけれど、自分の悪いところを見つめるってすっごく勇気がいるからね。


悪いところを見つめるためには、でも自分にはこんな良いところもあるって言う揺るぎない自身への信頼が必要なんだよね。



あたしには、それが無かったから無駄に時間がかかった。


いつも悲劇のヒロインで、確かに地獄のような日々だったけれど、それでももっと前向きに頑張れたはずなんだ。



春果君はスポーツをしてるから、きっと出来ない自分を見つめる機会がすごく多いだろうし、名門・智桜空手部の代表とまで言われている子だから、何度も挫折して這い上がって自信を築き上げて来たんだろうね。



失敗を恐れず挑戦して来たから、今の春果君がいるんだよね。





あ、お姉さん、ちょっとじーんとしちまったよ。


今は、あたしの方があんたをギュッてしてあげたい。





春果君がいなくなったら、あたしのクラス寂しくなるな。


空手部に入るのは気が引けるんだけど、春果君にはずっと来てほしいな。


何て自分中心な願望なんだ、あたし。


世の中、そんな自分の思った通りになんて進まないよ。



あたしは春果君にあたしの最高の笑顔を送って、次の学生のところへ向かった。




「Alright, then let’s begin. Are you ready now? How was the weekend?」




宿題を配り終えると、あたしはいつも通りに授業を始める。


宣言通り最後尾に座ってる二人は、教室の中からも外からも視線を集めてる。


あたしも、気を張ってないと、気が緩んだ隙に視線が彼らに引きつけられてる。




春果君一人でも圧巻なのに、二人並んで座ってると、最早眩しすぎてどうしたら良いか分かんなくなる。


や、何もしなくてもいいんだけれどもね。


しかも、彼らは履修者じゃなくて聴講者だし。




でも、醸し出すオーラが無視させてくれないって言うか。


虫が灯りに群がるように、周囲の視線が彼らに群がる。





・・・。





分かる、めっちゃ良く分かるんだけどね・・・



でも、今は授業中なんだ。



だから、あたしを見なさいって言うか。




あたしだって、そんな見栄え悪い方じゃないじゃん?


むしろ、めっちゃ可愛いじゃん?




結局、授業時間殆どみんなあたしの方なんて見もしなかったってさぁ。


何かお姉さんのプライドが傷つくよ?

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