Skype Talk With Elena (After)
「って感じだったって訳」
あたしは、今日の回想を詳細にわたって英玲奈に話し終わった。
期待の込もった眼差しを英玲奈に向ける。
(´゜д゜`)
あたしの目がカッと衝撃で見開かれる。
何たることだ!
英玲奈の目が開いていない!
「え、英玲奈?」
あたしは恐る恐る英玲奈に声をかけた。
神々しき英玲奈様のお目は開かない。
え、寝落ちですか?
あたしの二時間何だったの?
英玲奈・・この暴君とまで言えるような酷いあたしの扱い様・・さすがっす。
「英玲奈!」
あたしは、再度さっきより大きな声でスクリーンの中の英玲奈に話しかける。
英玲奈は、う、う~ん、と返事のような、そうじゃないような相槌を打ってくれる。
やー、そう来ると、こっちも張り切っちゃうよ、親友?(*‘ω‘ *)
「英玲奈―、英玲奈ちゃーん、英玲さまー、英玲女王様―、英玲奈お姉たまー、エレーナー、えれ」
「うっさい、黙れ!」
あたしの英玲奈がついに美しいサマーシャワーの水晶を御開帳くださった!
うわー、怒ってるー。
この顔はマジだな。
だって、だってさ・・・
「だって、英玲奈、寝てんだもん・・・」
あたしはボソッと言い訳する。
英玲奈はそんなあたしにシレッと言い返す。
「はぁ?あたしがいつ寝てたのよ。あんたの話に集中するために、不必要な情報をカットしてただけよ。あんたのうっとうしい百面相を見てたら、そっちに気を取られて話しの内容が飛んでっちゃうでしょ」
嘘だ。
絶対嘘だ。
だって、う、う~んって言ってたもん。
それにあたしはうっとうしくも無ければ、百面相でもない。
友達なのに、何て言い草だ!
あたしは、じとーっと疑いの目を英玲奈に向ける。
英玲奈はちょっと頬を染め、目線を軽くあたしからずらして、コホンと軽く咳をした。
「でも、ま、個性的な男どもの集まりだって事は分かったわ。
あんた、そんなとこ止めときな。ただでさえ、久々の日本で、しかも人生初の社会人生活って言う慣れなきゃいけない事たくさんある状況なんだし。
全寮制でガッツリ練習してるとこなんて。
そんな不必要な苦労を買う事ないよ」
英玲奈のサマーシャワーの瞳は、こっちを見ずにあらぬ方向を見てる。
これは、彼女が自分の強い感情を隠したい時にする癖だ。
あたしには、彼女が友達のあたしを心から心配してくれていて、その心配が綺麗な瞳に顕れてるのが見えなくても分かる。
英玲奈め、だから、あたしあんたが大好きなんだ。
性格上、また職業上、感情を他者に見せる事を嫌う英玲奈。
でも、そうやって隠すと逆に分かりやすかったりするんだよね。




