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美女と天女  作者: 美貝
BEAUTIFUL BOYS
31/66

5 + エンジェル 10

「もうご存知かもしれませんが、櫻井春果さくらい はるかです。3年で、生物学部です。春果は、理系なだけあって何でも突き詰めたい奴で。先生のことも、うちの空手部にピッタリだって思ってから、ずっと妥協せず先生を入れるために頑張って来てて」



あたしを抱く春果君の腕の力が強くなる。



「だって、小林は使えないから、絶対誰かうちの空手部の面倒を見てくれる人が必要なのは、みんな賛成しただろ。また適当な奴に頼むくらいなら、俺は絶対夏菜がいい!」



春果君が頭をあたしの肩にグリグリ押し付ける。

髪がほっぺたに当たって、くすぐったい。



「まぁ、確かに小林ちゃんだけじゃ、うまく回らないのは事実よねぇ。連絡を取りたい時に繋がんないんじゃ話にならないわ」



彰さんが、あたしに向けてか、みんなに向けてか、つらつらと話す。



「実は、ちょっと前まで数人うちの空手部の担当がいたのよ、小林ちゃんも含めてね。でも、うちってほら全寮制だし、個性的なのが多いじゃない。だから、中々先生達と馬が合わないって言うか。あたし達の方が強いもんだから、余計たちが悪くてね。男の先生は嫉妬とかしてめんどくさいし、女の先生は・・・」



ブルッ




匠君以外のみんなが、あからさまな身震いを見せる。

抱きしめる腕を通して春果君の身震いも強く感じた。



え、何があったの?

大の男が揃いも揃って震えるなんて・・・



先生、強く興味があるよ?(*´ω`*)




「だから、誰でもいいって訳じゃないのよ」



彰さんは、困ったように話を切り上げる。


あ、そこは掘り下げないのね。


分かった。

後で、春果君に個人的に聞こう。



・・・あれ?





「でも、待って。じゃぁ、何であたし?あたしも、女なんだけど」





・・・。





生暖かい目があたしに四方から注がれる。

春果君の腕の力が、ちょっと強くなる。



「うん。聞いて、みんな。大事な事だから、もう一回言うね。あたしも、女なんだけど?」






・・・。






ぷっ




響君が小さく吹き出した。


おいおいおい上手に咳の振りして誤魔化したつもりだろうけど、あたしは見逃さなかったぜ?


なぁ、ひじきよぉ?


あたしの顔が、ひくひく引きつる。


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