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美女と天女  作者: 美貝
PROLOGUE
3/66

新学期3

その女の子は、暖かいピンクを背景にちょこんと村田(こんな不良、君すらつけてやる必要ない)の隣に立っていた。


ん?ちょこん?

ってより、結構背高いな。

170はありそうだ。


ってかね、あれ?

私、目が疲れてるのかな。

あの女の子・・・え?え?



か、可愛い!!



え、可愛くない?

まじ可愛い!

奇跡的に可愛いぞ。

あたしより可愛い女の子初めて見たよ!


てて天女様の降臨か!

後ろの桜だって霞んじゃってる。


女のあたしでも、見惚れちゃって・・・

顔の温度が急上昇してるのが分かる。


何なの、その肌。

ハーフのあたしより、すべすべで白くない?


綺麗な二重に大きな焦げ茶のうるうるした瞳。

ふわっふわの栗色の髪。おいしそうな色だ!


服のセンスも抜群だわ。

細身のパンツにシンプルな英字プリントの純白パーカー、裾からのぞくチェックのシャツが何ておしゃれ。

更にその上にもう一枚、緋色のジップアップパーカーを重ねてる。


スニーカーはコンバースなんだ。


大きなショルダーバッグの中には、教科書が詰まってるんだろうか。


こんなボーイッシュなスタイルを、

こんなに可憐に着こなせるなんて、

世界中探してもあなただけだよ。


やばい、まじ可愛い。


可愛すぎて胸の鼓動が止まんない。



「うわー君、まじかわいいね。名前何ての」


「はるか」


名前も可愛い!


声も可愛い。

ハスキーでちょっと鼻にかかるような声。

激烈ツボだわ。


もうすべてが可愛い!

何なのこの生き物。


神よ、何の意図あってこんな可愛い生物を創造されたもうたのか。

世の女に不平等すぎるんじゃないかい。


はるかちゃんは、

パンツ男にこの上ない極上のスマイルを向ける。



キューティー!!!!



あっやばい、まじで鼻血が…

パンツ男どころか、その場の全員がおサルのお尻のように顔を真っ赤にして固まってる。

ぷっ、おサルのお尻が顔とかやだなー。

そんで髪も猿の毛に似たような色だし。

あ、何かもうお猿のお尻にしか見えなくなってきたんだけど。



「で、何のサークルなの?教えてよ」



「え。これからミーティングだからさ。一緒においでよ」



「ここで言いなよ、早く」



とろけるマシュマロのようなスマイルを見せながら、

はるかちゃんは動こうとしない。


不良たちも彼女があまりに可愛いから、

たじたじで動けないみたい。


やー、分かる!

あんたたちと気持ちを共有したくないけど、

でもその気持ちめっちゃよく分かる!

あたしも動けないYO!



「おい、はるか。何してんだよ。授業始まんぜ」

「おー、悪い。今行く」



彼氏かな、男友達かな。

ま、そんな感じの奴が遠くから、はるかちゃんを呼んでる。


軽く返事をしてその男を待たせつつ、

はるかちゃんはまた不良軍団に目を向けた。

村田の隣のパンツ出し男が聞く。

まじパンツしまってくれや。



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