第1話 出会い
僕のことを嘘つきだと思うならそれでもいい。
私は今、喫茶店の店先でぼーっと、目の前で犬と戯れている男を眺めています。
首には聴診器をかけ、頭は無造作ヘアーと言い張るが、完全な寝癖。
白いYシャツに、ジーンズ。そして、顔には黒縁フレームのメガネ。いかにも今流行の「メガネ萌え」といった感じの男。
私がなぜこの男と一緒にいるかというと、全然面識はないのだが、さっき道を聞いたら突然、「ちょっとまっててください」
と言って、犬と戯れ始めた。なんという男だ。まぁ、急ぎの用でもないからいいのだけれど。
しかし、よく見てみると戯れていると言うより会話しているようにも見える。しばらく一人と一匹が会話している姿を見ていると、男がこっちに来た。
「郵便局なら、駅のすぐ側だそうですよ」
ニッコリと微笑みながら、男が言った。なんとも人懐っこい笑顔だった。
「ありがとうございます」
こちらも自然と笑顔になった。
「こちらの方ではないんですか?」
「ええ、最近引っ越してきたばかりで、この辺のことは全然分からなくて」
照れくさそうに、私は肩をすくめた。
「実は僕もなんですよ。あなたに道を聞かれたときは正直焦りましたよ」
ケラケラと笑って言った。
え?
道分からないのに、適当に教えたわけ?
私の頭はクエスチョンマークでいっぱいになって、たまらず疑問を口に出してしまった。
「あの・・・郵便局が駅の近くにあるってのは・・・」
あっ、と焦ったような顔で、男は弁解を始めた。
「いや、アレは嘘ではなくてですね」
はぁ、と半信半疑な気持ちで相づちを打った。
「犬に聞いたんです」
男はさらっと言った。
私は面食らった。よくもいけしゃあしゃあと。
「嘘だと思うなら行ってみてください」
考えを見透かしたような口調で、男は言った。
そんなことありえるはずないじゃない。
私は郵便局まで歩き出した。
あった。
5分くらい歩くと、右手には大きな駅があり、その隣にこぢんまりとした郵便局が建っていた。
私の頭は、またクエスチョンマークでいっぱいになった。
「やっぱりあの犬に聞いたのは正解でしたね」
振り返ると、そこにはさっきの男がいた。
いや、そういう問題ではなくて、何で犬と話が出来るんだ?この男。
そんな私をよそに、また話を続けた。
「あの犬は、飼い主がよくあの喫茶店に行くらしくて、この辺のことが詳しくなってしまったそうなんです」
「は、はぁ・・・」
「あっ、僕ってば初対面の人に変な話ばっかりして・・・すいません」
男はぼりぼりと頭をかいた。
「聞こえるんです」
「は?」
何が聞こえるのだろう
「彼らの声が」
「彼ら・・・と言うと?」
私が聞くと、男はニッコリと笑って
「あはは。今度お会いしたときにお話しますよ」
と、はぐらかされた。
今度?
「じゃあ、僕はこの辺で」
男は手を振って、東京の街へと消えた。
「あの人は、何者だったんだろう?」
変な人だったなぁ。東京ってこんな人ばっかりなのかな?
重い足取りのまま、私は郵便局へと入っていった。
次の日も、あの男は今日と同じ場所で、犬と会話をしていました。
かなり意味不明な文になってしまった;;
理解していただける方がいたらうれしいです。
果たして、この男は何者なのか
そしてこの二人の関係は、その後どうなるのか
作者のわたしも楽しみです。
それでは、感想お待ちしています。