表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/329

 オリフレアが、先を行った翌日。


「そろそろ……出発しようか」


 ハレは、そう言ってみなを見回した。


 都を出た時から、一人増えた。


 コーだ。


 彼女が、女性でよかった。


 もし男であったならば、共に行くことも出来なかっただろう。


 そう考えて、ハレは微笑んだ。


 父も、そうだったのだろうか、と。


 異国より舞い降りた、三人の女性。


 彼女らが女性でよかったと、父も思ったのだろうか。


「出発?」


 コーが、首を傾げながら復唱する。


 彼女は、大分言葉を覚えては来たが、それよりもまだ世界中の言語の量の方が遥かに勝っていて。


 まだまだ、分からない言葉も沢山ある。


 だが、それはこれからの旅路で埋めていけるだろう。


 とりいそぎは。


「モモ……コーの頭に布を巻いてもらえるか?」


 それだった。


 彼女の頭を、日の下にさらして歩くには、目立ちすぎた。


 少しくらい、隠した方がいいのかもしれない。


「はい……」


 モモが荷物を漁りながらも、ちらちらと自分を見る。


「どうかしたかい?」


 その視線が気になって問いかけると。


 モモは、あーうーとしばし困ったように唸った後。


 こう言った。


「あの……コーの頭を隠しても……殿下の頭が見えていたら……余り意味がないかなーって」


 月の人は、どっちも狙ってるわけですし。


「……」


 一瞬。


 一同に沈黙が走った。


 ハレは──ふっと吹いた。


 なるほど、そうだ、と。


「分かった……コーもそのままでいい。綺麗な白い髪を、隠さなくていいよ」


 ハレが笑うと。


「髪、綺麗?」


 コーが、自分の半端な長さの髪を引っ張って。


 にこーっと笑った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ