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流行りの婚約破棄をしようとしたあなたと私

作者: 文月 譲葉

「婚約破棄してもらう」


あなたは私にそう言った。



王都では婚約破棄が流行っているらしい。らしい、というのも私自身は領都で過ごしているから噂程度にしか知らないのだ。

だから、突然そんなことを言い出したあなたに何て伝えれば良いのかわからなかった。


物語のように泣いて縋れば良い?

それとも逆上して殴り掛かれば良い?

はたまた聞き分けの良さを出して頷く?


でもね、私、どれも出来ないの。ごめんなさいね、態々流行りの婚約破棄をしてくれているのに。

だってね、そもそもあなたは私と婚約してないのよ。

その昔、私達が幼い頃にそんな話が一瞬出たことがあったわ。でも、出たことがあっただけよ?

あくまでも領地が近かったから出た話題の一環で、あなたはご自分の領地の隣の子爵家の長女と婚約したじゃない。えぇ、今あなたのお隣にいる彼女ね。

だから、私と婚約破棄は出来ないのよ?婚約者との婚姻は出来たかもしれないけど、思い込みで他人に迷惑を掛けるようでは残念ながら当主の伴侶にはなれないわ。




婚約破棄騒動に巻き込まれた辺境伯の若き当主。成人して直ぐに当主になり同時に婚姻もした。巻き込まれた時点で一児の母。問題が起きた時旦那は領地の見回りに出ていた。

因みに両親は健在。早くに隠居したいと暴れた為、仕方なく『私』が当主交代した。旦那は『私』が家から脱走した時に出会った休暇中の暗殺者。


あなた

伯爵家の嫡男。思い込みが激しいタイプで、今回は昔聞かされた婚約者候補の名前を婚約者と思い込んだまま大きくなったことが原因。周りから訂正されても直らなかった。

本人は伯爵家を継ぐのは自分だと信じているが、そもそも次男の出来が良いので両親は次男に継がせる予定で次男に領地経営の教育している。


子爵家の長女

子爵家の一人娘。『あなた』の婚約者で当主予定。

『あなた』の婚約者が自分であると知っているが、『あなた』の思い込みが強過ぎて記憶の修正を諦めた。ちゃんと自分を愛してくれているから妥協した。

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