1ーきえまさかさ
ちゅーとりある、その2、はっじまっるよー。
…「彼」は床に着いた電光掲示板を見た。
数字が書いてある…
電車に関する時間なのだろう、強いて可笑しな事を言うのなら、全ての文字が鏡文字な事だろうか?
また、床を見た…
駅名を示す筈の看板が有った。
何処か疑問系なのは書いてある内容が可笑しいからだ。
…「口東ー駅様逆」
これだけ見れば正しく「何のこっちゃ」と言うやつなのだが。
「あなた」も薄々察しているかも知れない。
この「異界」、そうだね…
仮称だが「逆様駅」とでも呼ぼうか。
「逆様駅」は色々と反対だった…
「あなた」は気づいたかな?
そう、全部じゃない。
言葉にすると奇妙な表現なのだが、実際「彼」は床を正常に歩いている。
普通この類の異界は殆どの現象に作用するのだが…
異界の性質自体も反転しているらしく、所々正常な存在もあった。
因みに「彼」の異界でしか役に立たない方向感覚は、看板に東口と書いている物のこの場所が南側だと示していた。
書いて有る内容ですら反転しているとは、殆、本当に信用できない異界だ。
因みに「彼」は矢張り今回も気が付いたら「異界」にいた。
「…いたり帰」
【逆様駅】
いろいろはんてんしたばしょ。
ちゅうとはんぱに、
はんてんしてて、あたまがとても、
こんがらがる。
せめて、ことばくらい、
ふつうに話させてほしい。