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世迷404  作者: 南瓜牌
Chapter1
5/9

こばなしーしらないかわ

「こばなし」は時系列は明確に決まって無いです。

唯、基本的には未来の話です。

ホラー話チックなものも有れば、ナンセンスな話も有ります。

「こばなし」の名の通り、大体一話構成です。

時系列が決まっている一話構成は、多分「まくうち」と書きます。

ぱちゃ…ぱちゃ…

ばしゃ…


「彼」は川を歩いていた。


「あなた」は薄々察しているかも知れないが、

勿論「彼」は川に行ってなどいない近いてもだ。

抑抑「彼」の住んで居る場所の近くに川は存在しない。


何時もの様に「前と同じ様に」気づいたら歩いていたのだ。


「彼」は此処に来る前に何処に居たか何をしていたか憶えていなかった。

記憶は何処か霧がかり薄ぼんやりしている、「彼」には偶に有る事だった。


普通の人なら恐怖と不安に苛まられるだろうが…

「彼」からしたら何時もの事だった。


ばしゃ…ばしゃ…

ばしゃ…ばしゃ…ばしゃ…


ところで「あなた」は川に行った事があるだろうか?

汚れた川では無く釣りや水遊びが出来る様な綺麗な川だ。


川と聞くと大半は透き通る様な水の流れとせせらぎを思い浮かべる事が多いだろう。

唯こう思った事がないだろうか?


根拠も無くきっと安全だろうと思ったり。


こんなに透明なのだから間違えて深い所に落ちる事はないだろうとか。


別に悪いと言う訳では無い、現代それも日本となれば、無意識下に安全だと思う事は良くある事だ。


「彼」も実際そうだった、例え知らない場所でも透き通る様な川を見れば安全だと思ってしまう。

少し気を付ければ大丈夫だろうと…

足首が水に浸かる様な浅瀬をしっかりと大地を踏み締めて歩いていた事も油断の理由かも知れない。

ともかく「彼」は安全だと根拠も無い自信を信じた。


だが、実際はそんな事は無い、実際大半の川は透き通る様に「黒い」のだ。

地面がしっかり見えている様で実は深いか浅いかの違いは早々判らない。


何が言いたいのかと言うと、


ぱしゃ…ぱしゃ…

どぼん…!


「彼」は落ちた。

川の深い場所へ…


こう聞くと「あなた」は浮かび上がれば良いだろうと思うかも知れないが。

「彼」は浮かべなかった何なら泳げない。

じゃあ、水場に行くなよと言う話なのだが、「あなた」だって例え泳げなくても海に行く事は有るだろう?

其れに「彼」は来たくて川に来たのでは無い、気づいたら川を歩いていたのだ。


別に泳げないのも小学生だからー年が理由などーでは無い、

大人に成ったからって泳げない人も普通にいる。

「あなた」だってそうかも知れない。


ごぼ…ごぼ…

ごぼ…ごぼ…


「彼」は何とか息を止め、跳ねる事で水面に顔を出し息継ぎをしようとする。

跳ねては沈み、跳ねては沈み…


落ちた崖っ縁に捕まって戻れば良さそうなものだが、泳げない人にとって水が動きを阻害するのか意外と遠いのだ。

段々と息が苦しく成って…

目が霞…

意識が朦朧として来る…


「彼」は遂に大量の水を口に含む。

大量の水を一気に接種すると苦しいだけじゃなく水の味も不味く感じて来る。


不味さと苦しさの不快感を味わいながら、「彼」は遂に気を失うと…


気づけば道端にいた…

体は一切水に濡れてなく、普通なら夢か幻かと安堵の息を吐く所だろう。


「…はぁ」


…まぁ、「彼」が吐いたのは「またか」と言う憂鬱そうな溜め息だったのだが。


「彼」からしたら偶に有る事だったので、夢幻では無くー現実か如何かは兎も角としてー実際に起きた事だと察したからだろう。


「彼」は気怠そうに又歩き出した。


【知らない川】

だれも知らない川。

どこにあるかも知らない。

できればしばらく、

水ばにいきたくない。

こんどからプールは、

やすめないだろうか?

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