やっぱり酒は災いの元 その8
「父の葬儀の終わった次の日から、この屋敷にかなりの額の金が届くようになった
それも毎日だ
訳がわからなかった、奇妙だった。
しばらくして
ある噂を耳にした父が街に現れ、夜な夜な賭場を顔を見せてまわっているという。
行った先には生前の姿のまま喜々と賭けを楽しむ父の姿があったのだ、私は目を疑った、勝負を終えて何処かに向かう父の後を追った。
だが見失ってしまった。
場所は魔法街の辺りだった。
何度も調べたが、父の遺体、父の墓が荒された形跡はなかった。おそらく何らかの古の秘術とやらで魂を人形に移し替える形で父はまだこの世に存在しているのだろう」
魔法街
クローディアから見ると吹けば飛ぶような雑多な「魔術」「魔道」とは呼べない術を扱う術士達の吹き溜まりなはずだが、
死者の魂を人形に移して生きている人間と同じように活動させている。
死者を蘇らせる事もそうだが、死者の魂を別の身体、しかも人形の身体に移し替える。
(かなり高度な術だ)
そんな術者がいるのなら会ってみたいものだとクローディアは思った。
ただ
伯爵の話が長くなってきた。
これまでずっと誰かに聞いてもらいたくて仕方なかったのだろう、公爵の語り口調は熱を持ち始め、横になりながらも身振り手振りを交えて話を続けていた。
伯爵の胸の内に抱えていたものを誰かに話したい気持ちはわかるけれど、恐らくは何者かのこの呪い、呪詛の大元を断たないといつまで経っても変わる事、終わる事はない。




