やっぱり酒は災いの元 その10
ミミズのような
芋虫のような
四本脚で動き回るもの
人と同じように二本足で立って歩くものまでいた
クローディアには館に起こる現象についてある程度の予測を持って行動していた
賭け事に強すぎる先代当主が、生前か、復活後?かに何者かを恨みを買った
ただ恨みを買っただけで、この悪霊の量は異常だった
この館は昼間でも無関係に深夜の荒れ果てた巨大墓地ような空気が漂っていた
何かが、何者かの意図が作用しているに違いなかった
その核、中心となるものは果たして何か、それが問題であるとクローディアは考えていた
クローディアが先程使用した、簡易の聖域結界『煌めく流星の聖幕(ブリエ·メテオール·ヴェール)』の効果で伯爵が吐き出したもの
あれは明らかにこの館に危害を加えようとする術者の使い魔だった
あの使い魔達が居なくなった今、まだ大量の雑多な悪霊が屋敷に居るのは少し不思議に思えていた
『屋敷の中じゃない、外、か』
探索の糸を外にまで広げた瞬間にこの現象の原因をクローディアは見つける事ができた
『なるほど、これか』
原因には辿り着けたものの時間がないように思えた
夕暮れが近くなっていたのだった
原因の大元を断つには夜に向かう時間より、朝日の差す時間の方がいい
今の時間で状況を解決させると、大元は断てても、屋敷に残された悪霊達が暴走する可能性があった
クローディア、当然伯爵の命は守る事は容易くても、屋敷自体が壊される可能性があった
先程使用した『煌めく流星の聖幕(ブリエ·メテオール·ヴェール)』の効果を館全体、庭にまで広げて一度に状況を終わらせる事は可能ではあったが
魔法に必死な触媒がひどく高価な事が頭をよぎっていた




