第8話:消え去った心
今回は
ちょっとつまらない
かもしれません。
多分読まなくても
後々さしあたり
大丈夫だとは思いますが
読んでほしい
ところです、はい。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あのなつのひ…
そこでぼくはであった。
きれいなはなをもった
かのじょを‥
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Ι
Ι
《消え去った心》
Ι
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仙里:
「本当に…記憶が?」
罹依:「……うん」
罹依は記憶が戻った
というのに、いつになく
暗い表情をしていた。
仙里:
「なら…
わかりますよね」
罹依:
「……信じられない」
仙里:
「それが
当然の反応ですよ。
誰だってそう」
罹依:「………」
本当なら話から
察しれたらいいだけだが
駄目だ、わからない。
漉音:
「仙里、お前は
何を言おうとしてんだ」
この発言で
周囲を沈黙が包む‥
仙里:
「…簡単なこと
なんですよ。
そう、僕は……本来、
死んでいるんです」
Ι
Ι
漉音:「死んで…いる?」
仙里:
「同じような事例を
知りませんか?」
漉音:
「…まさか、彩音か!」
仙里:「(にこっ)」
仙里はただ
微笑んだだけだった。
それが
何を意味してるのか
なんてわかりきってる。
仙里:「これを‥」
渡されたのは
カセットテープだった。
仙里:
「その中には
僕の声の録音があります
それを宮間さんか
神崎さんにでも
お渡しください」
漉音:
「…お前神崎のこと
知ってたか?」
仙里:
「上からですよ、
上から」
指が天井を指す。
もちろん指しているのは
天井じゃないと
頭ではわかっているが‥
仙里:
「少し高度な説明を
そのカセットには
入れてます。
残念ながらそれは
由来君や罹依さんでは
多分理解できません。
ですから宮間さんか
神崎さんに‥‥!!」
俺と罹依は一歩進み、
仙里のすぐ
目の前にまで来ていた。
罹依:
「知美や薗経由は駄目よ
難しくても私は雲英、
あんたから直接聞く」
漉音:「俺もだ仙里。
確かに俺たちじゃ
お前の説明を
理解することはできない
かもしれないが、
俺たちはお前の口から
聞きたいんだ」
仙里:
「……わかりました。
なら、僕の口から
話しましょう」
Ι
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仙里:
「しばらくは
僕に一方的に
喋らせてくださいね。
…僕が罹依さんに
初めて会ったのは…
…11年前ですね。
この町の小さな病院。
つまりここです。
僕は白血病で
ここに入院してて、
罹依さんは妹さんの
結依さんがこの時
この病院に
短い間でしたが
入院していたから
お見舞いに来たときです
たまたま、
僕は病院の庭で
罹依さんに出会い、
罹依さんは僕のことも
心配して結依さんの
ついでに僕の見舞いにも
来てくれたんです。
でも僕は病の急性で……
死んで、しまいました。
本来ならこれで話は
終わりなんですが、
僕はなんでか
殆どの記憶を失っては
いましたが、また生きて
この町に立ったんです。
理由も、原因も、
僕でさえ
わかりませんでした。
もちろん今も‥」
罹依:&漉音「……」
仙里:
「あ、も、もちろん
普通はありえませんよ!
でも本当に
そうなんですから!」
罹依:
「え、えーとね…
要は雲英は何が
言いたいわけ?」
こいついきなり
話のオチ聞き出した!!
仙里:
「要は…ですか?」
罹依:「うん、要」
駄目だこいつ。
もうオチしか興味ねえな
仙里:
「…これは
僕の考察なんですが、
死んだ人には
まだ強い想い…
つまり未練があって、
生きてる人も
まだその人に
未練があったとき、
何らかの……
どうわかりやすく
説明したら
いいんでしょう…
…つまり、世界は、
この世とあの世。
それと、もうひとつ」
漉音:
「もうひとつ?
中間の世か?」
仙里:
「いえいえ。
それは僕の中では
世ではないと思います。
未知の次元で創られた、
もうひとつの世界。
おそらく人ならざる人が
いるんでしょうね」
罹依:「???」
目線が固定してない。
明らかに頭が
こんがらがってるな、
あれ。
仙里:
「と、とにかく!
僕が言えるのは
ここまでです。
…そしたら、
部室に戻りましょうか」
漉音:
「…そうだな。
今深く考えても
答えは出なさそうだし、
帰るか」
罹依:
「そうね、
雲英君も一緒に!」
Ι
Ι
?:
「…時の歩みを
止めてはいけない。
例えそれが本当は
間違ってるとしても‥」
謎の者は下を見下ろす。
そこには小さな少女が
眠っているように
横になっている。
?:
「君の運命は、
どう流転するかな?
…《由来》」