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第1話:終わりの季節

夏にはいると

受験生というのは

普通、夏期講習とかに

行くらしい。

だが俺は行こうとは

一度も思わなかった

あの日、

俺が渚に告白してから

1週間が経とうと

していた。

俺は渚の家にバイトで

行っていた。

しかし、定食屋といえど

、こんな小さな町だ。

はっきり言って

客は来な‥


玖珠:「ガツンッ!…

さっきから

何言ってんだよ、小僧!」


漉音:「いきなり

金属バットで

襲ってくるなよ!

死ぬぞ、本当に!」


俺は間一髪のところで

避けていた。


玖珠:「お前がさっきから

ごちゃごちゃ

ごちゃごちゃと

変なことぬかすから

だろうが!」


漉音:「…ていうか古今も

あんたも人の心の中

勝手に覗くなよ!」


玖珠:「簡単に覗かれる方が悪いんだよ!」

こんな毎日を過ごしながら

俺は心のどこかで

こうなることを

願ってたかもしれない。

…〈願う〉というと

仙里のことだが、

あのあと緊急治療室に

運ばれて、命に別状は

なく、今は入院中

だそうだ。

Ι

Ι

《終わりの季節》

Ι

Ι

玖珠:「チリンチリーン…

暑っちいなあ〜」


漉音:「そうだなぁぁ〜」


俺は扇風機の前に

座っていた


玖珠:「おい!

大黒柱をさしおいて、

人ん家の扇風機を

独占するとは

いい度胸じゃねえか!」


漉音:「別に

いいだろぉぉ〜。

環那さんも渚も、

買い物で今いない

んだしぃぃ〜」


玖珠:「なら、

今が好機だな。」


漉音:「あぁぁ〜?

何のぉぉ〜?」


玖珠:「勝負だ小僧!」


漉音:「は、勝負?」

Ι

Ι

玖珠:「ほら!

早くいくぞ!」


漉音:「勝負って、

どこに行くんだよ」


玖珠:「決まってんだろ!

場所は〜…!」


おっさんが指をさした

方向にあったのは‥



漉音:「…野球場?」


玖珠:「おうよ!

今日は天気も良いし、

誰もいねえ。

マーベラスベスト

コンディション

じゃねえか!」


漉音:「いや、

意味わかんねえよ。

どんだけ凄いんだよ

今日のこの天気がっ!」


玖珠:「いちいち

うるせえな、お前は〜。

……肩はもう大丈夫

なんだろ?」


漉音:「無理に

決まってんだろ。

本当にあの時のことは

思い出したくもない」


玖珠:「へっ!

いまでこそ

いきがってるやつが、

昔はリンチを受けるほど

弱かったなんて、

想像もできねえぜ!」


漉音:「あれは

あいつを守るためだ!

…そこまで言うなら

受けてやろうじゃねえか

、おっさん!」


玖珠:「いきがってん

じゃねえぞ、小僧ぉ!」

こうして、

夏の始まりは訪れてた

Ι

Ι

「ザザ‥

ザザーーーーー!」


漉音:「‥雨だな」


玖珠:「マーベラス

ベストコンディション

がぁぁぁ!!

ちっ!

しょうがなぇか。

おい、小僧!

今日は中止だ!

家に戻るぞ!」


漉音:「ああ!

わかったよ!」

……この物語は、

小さな少女が俺に見せた

ほんの、短い希望に

満ちたお話の続きー

Ι

Ι

玖珠:「環那ー、

今戻ったぞ」


環那:「おかえりなさい

由来さん」


漉音:「あ、えーと……

た、ただいま」


玖珠:「小僧に

負けたぁーーあっ!」


漉音:「そこまで

悔しがるなよ」


渚:「おかえりなさい

お父……由来君」


玖珠:「何故我が娘よ

途中から小僧に

切り替えたぁーーっ!」


漉音:「いちいち

うるさいっ!」


渚:「嘘ですよ、

お父さん。今日もまた

野球ですか?」


玖珠:「いや、

おてんとさまのご機嫌が

ななめみたいでな」


環那:「まあ、

話もここでは

なんですので居間に」


とまあ、いつもの調子で

赤の他人である俺を

温かく迎えてくれる。


漉音:「…か、環那さん、

おっさん。

大切な…話があるんだ」


玖珠:「知らねーな。

独りで孤独に語っとけ」


いつもの調子で

今すぐにでも

殴りつけたい野郎1名。


渚:

「お父さん、お母さん。

私からもお願いします」


玖珠:「渚?……

お前がそこまで言うなら

聞いてやるよ」


漉音:「環那さん、

夕食に《鵜》

用意できますか?」


環那:「?、ええ

大丈夫ですよ」

Ι

Ι

玖珠:

「あー、食った食った!

今日も環那の料理は

最高だぜ」


環那:

「ありがとう

ございます!」


漉音:「……そういえば

何で環那さんも渚も

ほとんどが

丁寧語なんだ?」


渚:「お母さんは

知りませんけど、

私はお母さんの影響

ですね」


漉音:「ふーん‥‥」


……落ち着かない。

一応、補助的なギャグは

すでに組み込んでるが、

緊張しかしない‥‥!


渚は俺の緊張を

感じ取ったのか、

手を握って小さな声で、

大丈夫ですよ、

と囁いた。


漉音:「ああ……

環那さん、おっさん、

聞いてくれ」


環那:

「とうとう発表ですか?

私はオーケーですよ」


渚:「え、お母さんは

私たちが

付き合ってることを

知ってたんですか!?」


玖珠:「ブフーーッ!!」


お茶を飲んでいた

おっさんが俺の顔面

目掛けてお茶を

吹き出した。


漉音:「汚いだろっ!

…って、おおっ!」


突然胸ぐらを掴まれ、

座ってる姿勢で

引き寄せられた。


玖珠:「おじさんなんだか

よく聞こえなかった

んだけど、もう一度

言ってくれるか〜?」


渚:「聞こえません

でしたか?

それならもう一度

言うしかないです‥‥」


漉音:

「鵜呑みにするなよ。

(ここだっ!)

おっさん、この件、

鵜呑みにしてくれ!

ほらっ、実際に

ここに鵜が…」


…………

………あれ?

全員の動きが止まった?

息してんのか不安に

なるくらいに。


渚を横目で見る‥


渚:「さっ」


!、視線を逸らされた。

環那さんは‥


環那:

「……か、片付けて

しまいますね‥」


おっさん‥


玖珠:「……」


何だろう、

無言のプレッシャー?

やばい、ひとまず

おっさんが事態の収拾を

しなければ……


玖珠:「…ったよ」


漉音:「へ?」


玖珠:「渚の相手が、

お前でよかったよ‥」


漉音:「おっさん‥‥」


玖珠:「ふー…はー、

《如月家に、

新しい家族が

生まれたぞーーっ!》」



http://x44.peps.jp/shifia


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