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青春の後悔  作者: イトユウ
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健人と萌花、理沙の三人を乗せたバスはファンタジーランドの目の前にあるバス停へと着いていた。


バスを降りると目の前には両端を色とりどりの花が出迎えていた。


その美しい道を三百メートル程進むと、右恥の地面から左端の地面へ円を描くように、カラフルな装飾が施され、虹がかかったような入場ゲートが現れた。


その輪の中に、駅にある改札と同じようなものがあり、駅の改札では磁気を読み取るが、ここでも同じ方式を取っており、切符のように機械の中に吸い込まれ吐き出されていく。


その入場ゲートの中を通り抜けると、そこには異世界へ迷い混んだかのような幻想的な空間が広がっていた。


ファンタジーランドは宇宙をテーマにしており、園内は室内テーマパークということで、明かりを調節出来、季節によって様々なイベントを催したりし、何回来ても飽きないような工夫がされている。


「うわー、すごいな」


健人は圧倒されていた。


「昔、私と行ったじゃない。まだ小さかったから、覚えてないのも無理もないけど」


「へぇー、萌ちゃんと兄ちゃん二人で来てたんだ」


理沙が少し意味深な視線を健人と萌花に送ると萌花は「変なこと考えてるでしょ」と言って続けた。


「昔って、本当に昔でまだ八歳ぐらいだったよ。健人と私のお母さんもいたしね」


理沙は「なんだ、つまんない」と言って歩を進めた。


健人と萌花は互いに顔を会わせると苦笑いして、理沙の後を追った。


萌花と理沙は入場ゲートでもらったアトラクションのパンフレットを見ながら、まずは何に乗るか話し合っていた。


健人は空腹の限界を迎えていてらどうしてもレストランを目で追ってしまう。


ファンタジーランドは、エリアごとにテーマが別れており、ジャングルだったり、星空、宇宙船など様々なエリアがある。


そして、そのエリアにちなんだメニューがあるレストランもあり、宇宙食や外国の食べ物など健人達学生には、あまり馴染みの無い珍しい食べ物がメニューとしてそこにある。


そんなことを想像していた健人は、いつの間にか萌花と理沙に見られていることに気付かず「また始まった」と萌花は言うのであった。理沙はというと


「兄ちゃん、レストランのこと考えてたでしょ」


図星である。萌花のいう「上の空」ではなく、只々空腹のためレストランを探していただけなのだ。当てられたからといっても、何が起きるわけではないが健人も少々ムキになり、反論した。


「残念。違うよ。隣の野球はどうなってるかなと思って」


ファンタジーランドの隣にはプロ野球チームのホーム球場がある。


今日は昼の二時から日本シリーズが行われることになっている。


長いシーズンを勝ち抜き、毎年勝者同士の熱い戦いとあって、この日チケットは即完売。その野球チームのグッズであろう、Tシャツを着た人がこのファンタジーランドにも大勢いる。


ファンタジーランドとその野球チームはコラボグッズをいくつも出しており、かなりの人気で入荷すればあっという間に完売してしまう程の人気だ。


「兄ちゃん野球好きだっけ。お父さんが野球中継見ていても、いつも自分の部屋に行くか、スマホ見てるよね」


理沙は口が達者で健人は口で勝てないと分かっているが、つい反論したくなるのであった。


それにしてもバレバレの言い訳に萌花は呆れるのであった。


健人達三人は星空エリアへと向かっていた。


萌花と理沙で話し合ったところによれば、「まずは星空エリアの流れ星でしょ」のようだ。


健人はホッとした。流れ星と聞いて、勝手に宇宙の様な所をゆっくりと乗り物に乗り、流れ星に乗れたような幻想的な気持ちになるのだろうと確信してしまっていた。


なのでその前に腹ごしらえと萌花と理沙がレストランに行くことを提案しても空腹だった健人は快諾したのである。しかし、健人はその後大きな後悔をするのであった。




二時間後、健人はベンチに座り真っ青な顔で項垂れていた。


今にも嘔吐しそうな状態で、さすがに萌花と理沙も心配し「大丈夫?」と声をかけていた。


そう、「流れ星」とは名前の通り流れ星で、幻想的は幻想的だが余裕のある人にとっては幻想的だということになるのであろう。

流れ星のように高速で移動する。


そして様々な角度で流れていく、「ジェットコースター」であった。


健人はジェットコースターは初めてであったようで、昔はこの圧倒的なスピード間に共に来ていた萌花が嫌がり、乗っていなかった。


萌花はちょっと待っててというと、飲み物を買いに行ったようだ。萌花は、普段は天真爛漫で、少しマイペースなところがあるが、人が困っているところを見ると、放っておけないようで、健人も例外ではないようで、こういうところがあるため、他の男子は放ってかないだろうなと健人は思うのであった。


理沙の方は対照的に兄である健人の体調が悪いにも関わらず、スマホを見て、何やらニヤニヤしている。


兄目線にも理沙の彼氏になった人は苦労するだろうなと思うのであった。


その後、20分近く経っても萌花は戻ってきていない。

「さすがに萌ちゃん遅くない?どこかで迷っているのかな」

「飲み物目の前の角曲がって少ししたらあるよな?いくら萌花でも迷わないだろ」


萌花はかなりの方向音痴で、さらに行動派なため気がつくと、全然知らない所に来ていたなんてことは、よくあることであった。


健人は電話をかけるも呼び出し音が聞こえるばかりで出る気配は無い。

健人は理沙をその場に残し、少しふらつく身体で渋々探しに行く事にした。


健人は内心では「子供じゃないから大丈夫だろ」と思ったいたが、理沙がなんども言うのである。


「何か胸騒ぎがするから探しに行こうよ」


二人で行くと萌花が戻ってきた時に入れ違いになってしまうので、健人のみが探しに行く事になった。


そして、この理沙の胸騒ぎは当たることとなった。

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