表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/134

第86話 マインも可愛いなぁ

「む、それは話を変えようとしているのかな? うんうん可愛いなぁ。それともクレナイさんにあっているのが女かどうか気になるのかい?」


 またまたマインがトマトみたいに赤くなる。うん、レンが可愛いと思うのも無理ないな。


「まあ、たしかに今、クレナイさんにあっているのは女だから気になるのも仕方ないか」


 マインがビクッと震える。どうして震えたのかわからないみたいでキョロキョロしてる。


「それは誰なんですか?」

「メタトロン」

「え?」

「何でもクレナイさんと戦いたかったのに部下達が邪魔するって相談が姉様宛に来てね、何か面白そうだったからクレナイさんを呼んだんだよ、そしたらクレナイさんはクレナイさんで面白そうなことをしてるからさ」


 マインの赤かった顔がスーと元に戻っていく。


「二人揃って呼び出しちゃった。てへっ」


 ブチ切れたマインは無言でスカートの中からいつもの剣を取り出した。

 スカートの中に入るはずがないって?

 ファンタジーでミラクルな異世界ならこれくらい出来るんだよ。


 マインがサリアに切りかかるがサリアがものすごいカッコつけたジャンプ(両腕をピンっと伸ばして後ろで何かが爆発、着地の際に2回転ほど転がる)をして回避する。空ぶったマインの攻撃はそのままサリアの後ろにあったログハウスの壁を直撃し、斬り飛ばした。



 ───────────────────────



 マインに告白した直後にサリアに強引に連れてこられ、放心状態(ツッコミは可能)のレンの前からマインが連れていかれた。


「さてさてあなたがクレナイ レンね。あなたを殺すのをものすごく楽しみにしてたのよ。もちろん今更怖気付くわけがないわよね?」

「…」


 謎の女がレンへと話しかけるが人生初の告白を最高のタイミングでぶち壊されたレンには届かない。


「ねえ、聞こえてるの?」


 謎の女がレンの顔の前で手を振る。が、全く反応がない。


「そう、私なんか目にも入らないってことね」


 謎の女がスっと剣を持ち上げてバットのように構える。


「とりあえず反応しやがれェ」


 そしてレンの頭めがけてフルスイング。もちろんいくらこの作品がコメディ小説だと言っても世界最高峰レベルの剣士のフルスイングでいい音が鳴るだけで済むはずがない。

 レンの首から上、剣が当たった部分が消し飛び、一瞬で再生したレンの視界にようやく謎の女が入る。


「ふぅ、ようやく見てくれたか」


 その女は真っ白の祭服を着ていて鉄のコテや胸当てをつけている以外は普通の教皇みたいだ。その右手にはスラリと長い両刃の白い長剣が握られており、柄の部分には綺麗な天使が彫刻されていた。

 そして身長はレンよりも少し高いぐらいで祭服を着ているせいでわかりにくいが見た感じ細そうだ。ただ胸のあたりはマインやサーリア達と違い、主張が激しい。

 ただそれよりも綺麗な慧眼がギラギラとレンを見ている。


「えっと、誰?」

「メタトロン教皇だよ! 逢いに来てたんでしょ!」


 たしかにレンはメタトロンと話をしに行ったのだが代理しか出なかったし写真があるような世界でもないので今見たのが初めてである。


「それでそのメタトロン教皇がなんの御用なんだよ」

「あなたを殺しに来たんだよ」


「だから」っと、そう言いながらメタトロンは剣を構える。


「さっさと死んでくれ」

「いや何このデジャブ感!?」


 たしかにマインと似たような感じがするが殺らなければ殺られる…かもしれないので斬りかかって来たら応戦するしかない。

 キン、キキン、と綺麗な音を鳴らしながらレンたちは斬り合う。

 すると突然ログハウスの壁がズバッと大きく切られ、マインが出てくる。そしてその後ろをサリアが追いかける形で飛んできた。

 だがそれには目を向けずにレンはメタトロンと戦い続ける。


 さてここで問題だ。マインやサリアは一体何を見たのだろうか?

 鬼の形相でメタトロンと戦うレンの姿? それとも為す術もなく切られ続けるレンの姿?

 否、否である。答えはそのどちらでもない。2人が見たものはメタトロンの大きな双丘が左右に揺れる度に視線が左右に揺れる腑抜けた面をしたレンの姿である。

 さっきまでブチ切れていたマインはその姿を見て怒りのメーターが限界突破し、怒りで顔を真っ赤にしながらレンの元へ向かって行った。

 またサリアもサリアで綺麗な笑顔を顔に貼り付けながら無言で魔法を両手に構築し、レン達の方向に向けていた。

 もちろん2人の言い分はこうである。

「そんなに脂肪の塊が好きなのか!」である。

 戦闘に集中している2人の元へ駆け寄ったマインはメタトロンを全力で蹴り飛ばし、そのまま勢いを殺さずに回転しレンにも蹴りを入れる。倒れたレンの上に馬乗りになったマインはたった一言。


「レン様のばかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


 泣きながらレンに向かってポカポカと殴り続ける。はたから見たら可愛い光景なのだが殴られてる本人にはたまらない。何せ身体能力が化け物みたいに高い鬼の本気ポカポカである。

 超回復のおかげで原型を留めているが、なければ既にミンチである。


「ばかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


 マインの全体重と腰の入ったいいパンチがレンの鳩尾にクリーフヒットした。

 というかよく馬乗りの状態で体重と腰の入ったパンチ出せたな。



 ───────────────────────


 さて、そのあと数分間ほどレンがマインを抱きしめることでマインが落ち着いた。

 あとサリアが構築していた魔法はメタトロンとレンに平等にぶつけられた。

 サリアも随分とお怒りだったみたいだな。


「はあ、やっぱりダメだね。基本的に人間は好きなのだけどどうしてもこれだけは好きになれないね。全くどうして姉様はこんなのを教皇に選んだんだろ? いつもは私任せなんだから教皇選びもやらしてくれたらいいのに」


 サリアが少し遠くで地面に逆さにめり込んでいるメタトロンを見ながらそういった。



そろそろ受験勉強を始めるので更新が遅くなります。

できるだけ週一更新できるように頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ