短編集 3
第2章 第27話 冒険者ギルド
盗賊から聞いたアジトの場所は森の近くの崖の洞窟だった。何でも自然にできた洞窟をアジトにしたらしい。おそらく僕らが鉄を取ったようにこいつらも洞窟を利用していたんだろう。
洞窟の入口にはバリケードがしてあり扉のような物があった。
一応マインとアオイは盗賊たちと一緒に馬車で待機させている。
もしかしたら殺すことになるかもしれないから連れてこなかった。
盗賊から聞いた合言葉を言う。
「おい、入れてくれ旦那が来た」
ここまでは普通。
「肉を」
「食って」
「女を」
「食って」
「人を」
「食らう」
「よし、仲間だな入ってくれ」
こいつら食うことにしか興味無いのかよ。
扉が開いて門番が出てくる。
「あれ?こんな奴、仲間にいたっけな」
とりあえず切り捨てる。これ以上馬車が狭くなるのは嫌だし、収納に入れるのも嫌なので。殺すことにする。あ、そういえばマインに殺す前の宣誓の言葉を教わってたっけ。確か…
「さあ、嗤って殺そう」
だったかな? やることはやったのでさっさと壊滅させる。
1人だけ装飾が豪華で強そうな奴がいたけど一緒に殺してやった。
捕まっていた女子供を逃がして、溜め込んでいたお金を全部貰った。
随分と溜め込んでいたみたいでラッキーだった。
日が暮れてきたのでここで野営することにした。
「という訳で、盗賊討伐イベント無事成功しました…」
アオイがパチパチ拍手する。今回も僕が料理を作って皆で食べた。
今回の料理は盗賊達が溜め込んでいた食材を沢山使って焼肉をした。この辺りには沢山木炭が落ちていたのですぐに火は作れた。
アオイも焼肉を初めて食べたマインも相当喜んでくれた。
マインなんて新しい猪を取って来るくらいだからだ。
あ、盗賊の皆さんにはマインの愛情たっぷりの手料理を食べてもらったよ。
昨日と同じようにハーブが焼き付いたよくわからない味のお肉だった。
実に嬉しそうだったね。
さて明日も早いので寝ますか。
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朝です。盗賊の皆さんを足で蹴り起こして移動の開始です。
お宝の鑑定や銀貨の数を数えていたのだが街に着くまでまだかかりそうだ。
僕が御者をやろうとしたのだけどアオイに止められた。そうだな昼寝でもしようかな。
「それじゃあアオイ、街に着いたら起こしてくれ」
「わかりました」
これは第39話と第40話のあいだにあった短編集です。読んだことあるよ、っていう人は短編集4をお読みください