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第73話 勇者殺し

「貴様に教えることなど何も無い」


 そう言って勇者は口を閉じた。

 もちろん説得すれば話してくれると思うほど甘くはない。


(アオイ、少し来てくれ)

(わかりました)


 アオイの信者作成に頼る。使えることは知っているが結局使わなかったスキルを使う。

 少し待つとアオイが屋敷から飛んできた。


「それで何か用ですか…」

「こいつから情報を聞き出したいから信者にしてくれるか?」

「わかりました…」


 アオイがとても驚いている勇者の目をじっと見つめる。

 僕に背中を向けているので何をしているのかわからないが、スキルを使っているのだろう。

 数分で剣呑な光を宿していた勇者の目はトロンとした柔らかいものに変わった。


「さて、改めて聞こう。女神から何か貰わなかったか?」


 今回は全く抵抗せずに素直に教えてくれた。


「女神様から授かった宝玉なら王城にある祭壇に飾られているはずです」

「はあ、王都には馬鹿しかいないのかよ」


 勇者を守り、俺を滅ぼすための道具を祭壇に飾ってどうするんだよ。

 よく切れる剣は使わなきゃただの鉄の棒だってのに。


「それでこの子は殺すのですか…」

「うーん、マインはこいつを殺したかったりするか?」


 さっきまで戦っていたマインの獲物を奪っていいのかわからないからな。


「こんなものを殺しても何も面白くないのでレン様が殺していいですよ。さっきまではレン様と同じくらい楽しい子だったんですけどね」


 そうか、確かに完全に戦意を喪失しているからな。つまらないのも仕方ない。


「じゃあ殺すか」


 ───────────────────────


「珍しいこともあるのですね」


 マインが御者台から聞いてきた。


 あの後、勇者の首を飛ばし、死体を片付けて屋敷も収納し王都へと旅立った。

 元々この国を乗っ取るのはおまけのようなもので本当の目標は女神を殺すことだからな。


「それで何が珍しいんだ?」

「レン様が人を軽く殺したことですよ。面識のない騎士達ならともかく王城で会話までした勇者をすっと殺したのには驚きました」

「確かに人を殺すのには抵抗があった気がするんだけど今はほとんどないな。それと俺の持ってるスキル強奪が相手を殺さないと使えないことがわかったからな、勇者の持っているスキルを貰うためには殺すしかなかったんだよ」


 そのおかげで色々と手に入った。


「そういえば何があったのですか? まだ説明して貰ってません…」


 そういえばそうだな。

 マインを念話の対象に入れ、ある程度の説明をする。マインを念話の対象に入れたのは鑑定の結果を見せるためだ。


(そしてこれが俺の鑑定結果だ)


 名前| クレナイ レン

 種族|人間 魔王

 性別|男

 年齢|15

 スキル|状態異常耐性Lv10+5 超回復 天剣術 鑑定 収納 鍛冶Lv10+5 料理Lv10+5 製薬Lv10+5 限界突破 勇者 魔王 感情操作

 魔獣従属 錬金術Lv8 乗馬Lv4…

 装備|アカギ

 称号|鍛治職人 料理人 剣を極めし者 製薬師 勇者 転移者 女神の使徒 魔神の使徒 魔獣を統べる者…

 加護|女神の加護 魔神の加護


(これが俺のステータスだ)

(スキルの欄と称号の欄が見切れているのですが…)

(そこは仕方が無いと思う)


 だって沢山ありすぎて読むのがめんどくさいくらいだもの。


(そして魔王ですか)

(そうなんだよ。つまりまとめて魔王勇者だな。)

(そこをまとめる必要ありますか…)


 あるんだよ。あると信じていたい。


(それでこれがマインの鑑定結果だ)


 名前| マイン

 種族|魔人

 性別|女

 年齢|10

 スキル|絶対切断 魔力回復Lv6 魔王魔法 魔剣術 再生 スキル隠蔽(弱) 乗馬 解体 (空き)(空き)(空き)(空き)(空き)

 装備|普通のナイフ リペアソード ブラッディナイフ

 称号|魔王の右腕

 加護|魔神の加護


(スキルの隠蔽とか出来たのですね…)

(俺も初めて知ったけど驚きだよ)

(レン様の方がすごいですけどね)


 あ、そうそう、ミイやナイナ、ハクは収納の中でずっとお留守番して貰っている。

 こんな殺し合いの世界は子供が見るものじゃないからな。



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