第6話 夢オチかよ
そうだよ、仲間として連れていく人を決めないといけないんだよ。今まで色んな事があったからすっかり忘れてたよ。
「どうやって帰るんだ?」
「あなたの立っている地面をパカって開けて落とすんですよ」
「は?」
女神様が僕の足元を指さしながらそう言った。
えっ?なんて言ったの?パカって開けて落とすって言った?死ぬの、僕今から死ぬの?
「では、クレナイ レンさん、しばしの別れです。また会えることを期待しています」
ああ、女神様がものすごい笑顔になってる。さっきまで無表情だったのに眩しいぐらいの笑顔になってる。
「ちょっと待って、心の準備が出来ていな……」
「いってらしゃい」
パカッ
パカッ? あれ? 俺の足元にあるはずの地面がない。綺麗な青空が足元いっぱいに広がっている。
そして青空と雲の下に僕の家が見える。
すごく感動する景色だ、自然はいつも人を感動させてくれる とか考える暇もなく僕は地面めがけて落ちていった。
「うわああああああ」
ゴテ
え?あれ?僕は空から落ちたはず。ああただベッドから落ちただけであれは夢だったのか。なんだやっぱり夢だったのかよ、異世界行きたかった。でも面白い夢だったな。
よし、起きるか。
そう言って僕は立ち上がったのだが、
グ二
「うーん。痛いです、足をどけてください…」
うーん? 足元になにかある気が、って葵?
何でこんなところにいるんだ、ていうかどうやって入ったんだよ。今は10時、つまりこいつは今日も学校をさぼったということか。全く、なんて奴だ。(お前が言うな)
「葵、どうやって入ったのかそこに正座してきちんと説明しろ」
「しますから足をどけてください…」
おお、忘れてた。僕は葵から足をどけてあげた。
さて改めて説明しよう、こいつの名前は桜峰葵。僕の唯一の女友達だ。黒色のジャージで全身を包み髪はボサボサだが腰の上あたりまである。つまり僕と同じような格好だ。(僕も赤のジャージを愛用している)また、葵とは小、中と同じ学校に通っている、所謂幼馴染というやつである。もっとも、僕は中学校に入学する前に引きこもり始めたからあまり知らないけど。どうやら中学校でいじめを受けていて、それが原因で不登校になったらしい。引きこもってから僕とゲームで仲良くなって、それからよく話すようになった。つまりゲーム仲間である。
そんな引きこもりの葵が何故ここにいるんだろう?本当にわからない。
「今朝、蓮くんとゲームしようと思ってここに来たら鍵が開いてたからそのまま入って寝ちゃいました…」
ゲームソフトの上で正座するな。 それにしても鍵開いてたのか、不用心だな、まあ盗られるものはそんなに無いし大丈夫だけどね。そうだ、女神の夢の話でもしてやるか、こいつと話す時はトラウマに触れないように話さないといけないから大変なんだよ。
「夢の話なんだけど。…」
「という理由で空から落ちたと思ったらベッドから落ちただけだったんだよ」
「すごい壮大な夢を見たんだね…」
壮大って言うほどすごいことはしてないけどな、あと葵は勝手にお茶を入れて飲んでた、僕にもくれたけど同じ茶葉を使ってるとは思えないほど美味しかった、解せぬ。
「それで、異世界転移の夢を見るくらいだから、異世界転移してみたいんでしょ。何がしたいの?やっぱり勇者?それともハーレム?もしかして無双?蓮くんはどれがしたいの?」
うわー、葵の目がキラキラしてるよ。というか「…」はどうしたキャラ変わってるぞ。それに僕がゲームでレアアイテム手に入れた時と同じくらい目がキラキラしてるぞ。懐中電灯代わりに使えるんじゃないかな。
「そんなに異世界転移が気になるのか?葵は異世界系の話はそんなに好きじゃなかったと思うんだが」
「蓮くんが主人公なら聞きますよ。ただ蓮くんと離れ離れになったら寂しいなって思ったんですよ…」
そっか僕以外の友達が居ないんだっけ、それは寂しいな。
お前はどうなんだって?愛と勇気と葵だけが友達だよ。ハッハッハ