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第62話 金色の

「というか普通に食事をする魔物が少なくないか?」

「こいつらは特別ですよ。森や平野に住む魔物は人や動物を食べますよ」


 なるほど岩が沢山あるから岩を食べる奴しか集まってこないと。

 どうせ異世界に来たならゴブリンやオークと戦いたかったんだけどな。


「夜ご飯も食べましたし、そろそろ戻りましょう」

「そうだな」


 戻った時にはミイが少し拗ねていたりと色々あったがトカゲ狩りで疲れていたのでサッとシャワーを浴びて寝た。


 ───────────────────────


 さて、トカゲ狩り2日目です。

 っと言いたいところなんだが


「もう狩りに行かなくてもいい気がしますね…」

「倉庫が狭くなってきました」

「隣の空き倉庫を使うことになりそうだな」


 トカゲとゴーレムによって倉庫が埋まりそうだ。


「だけどまたあの街に帰るのも嫌なんだよな」

「何故か街の人と仲良くなりませんでした…」


 そうなんだよ。まるで街の人が僕らに対して線引きしているような感じだったんだよな。


「それなら次の街に行きませんか?冒険者なら次の街に行っても怪しがられませんし」

「そうだな。近くに街はあるのか?」


 マインが肉の塊(元トカゲ)を解体しながら街の名前を思い出そうとする。


「少し北の方にイクラの街がありますね」

鮭卵(イクラ)ですか?美味しそうな名前ですね…」

「いや、ここのイクラは食べ物ではないだろ」

「わ、わかってましたよ…」


 ああ、アオイ可愛いな。っとそうじゃなくてそろそろ地図が欲しいな。この国の地理がわかりにくい。


「それじゃ、そこに行くか」

「そうですね。それとマインは旅でもしてたのですか?街の名前をよく知っているみたいですが…」


 確かに、と思ったけど僕らにとっては都道府県みたいな物だろうから知ってるのが普通じゃないのか?


「確かに普通の人はここまで知らないでしょうね。街から出ずに一生を終える人もいますから。それと私の場合、人殺し時代に国を周っていたので」

「そうでしたね…」


 いや、君達どうして笑顔で話していられるんだ?今人殺し時代って言ってただろ、普通の女子中学生の日常会話に出てくる単語じゃないぞ。


「レン様?どうしたんですか?何故かげっそりした顔になってますが。大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だ。ミイにイクラの街に向かってくれと言ってきてくれ」

「わかりました」


 マインがパタパタと屋敷の入口においてある魔法陣へ走っていった。

 マインが放り出して行った肉の後片付けをやりながらアオイが聞いてきた。


「もしかして疲れているのですか…」

「いや、ちゃんと睡眠は取っているけど」

「少し私の目を見てください…」


 アオイが少しムッとした顔で近づいてくる。

 その綺麗な金色の目を向けながら僕の方に近づいて…あ…れ?、アオイの…目って…金色…だっ…


 バタ

 ──レンがアオイに持たれかかるようにして倒れた。


 ───────────────────────


 随分と長い時間寝てたみたいだな。体を動かそうとすると少し重く感じる。

 だけど実際には普通に動く。健康体のお陰かな?


「あ、起きましたか?」

「ああ、少し記憶が飛んでいる気がしているが問題ない」


 何か金色の物を見た気がするんだけどな。


「少しげっそりしていたので眠ってもらったんですよ…」

「眠ってもらった?」

「はい、体調は良くても精神が疲れていることもあるんですから適度に休んでください…」

「それは心配かけたな。ところでここは何処なんだ?」


 屋敷の寝室ではなくもう少し小さい部屋に僕は寝かされていたみたいだが、見覚えがない。


「イクラの街ですよ」

「レンくんが眠っている間に着いたんですよ…」


 僕はベッドから降りて窓を開ける。

 そこには沢山の噴水がある街があった。


 ──イクラの街、昔から地下から沢山の水が湧き、それを使用した農作物はとても質がよく王城でも使われているほどだ。

 さらにその湧き水を利用した噴水も街のそこら中にあり観光に来る人も多い。

 フレード王国内で屈指の観光の街であると共にメナール法国との国境を監視する役目もある。

 ただメナール法国とはとても友好的な関係が築けている為、あくまで形だけの監視である。


 今レン達が泊まっている宿はイクラの街の南にある宿だ。


「ミイや馬車は何処に置いてあるんだ?」

「あそこですよ」


 マインが部屋の端っこを指さした。

 そこには魔法陣が書かれた丸い板の上に乗った一抱えほどの大きさに縮んだ馬車とそれに乗ったミイがいた。


「何だこれ?」


 手のひらサイズまで縮んだミイを指で小突いているマインに聞く。


「それはマジックボードと言って元々は大きな板なのですが物を上に置いて魔力を加えると小さくなって馬車などをあのようにしまえるのですよ。ただ魔力を加えるので魔法や魔法陣が使われている物は小さく出来ないんです」


 なるほど、小さくして部屋に入れたのかすごく便利だな。これを使えば本物の戦車も飾れそうだな。


「だから部屋に馬車を入れられたです」


 ミイがマインの手から逃れて僕の方に駆け寄りながら話しかけてきた。


「何でミイまで小さくなっているんだ?」


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