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第51話 屋敷の設備

「早めに食べようか」


 という訳で2人と一緒に食堂まで来た。

 食堂はキッチンの隣にあって縦長の机が1つ置いてある。机の上にはキャンドルが置いてあって椅子は左右に7脚ずつ、そして1番奥に王様が座るような豪華な椅子が置いてある。座る気はあまり無いが雰囲気を出すために置いてみた。


「この椅子も魔法で作ったんですか…」

「いや、それは錬金術で作ってみた」

「本当に何でも出来るのですね」


 マインが褒めてくれた。でも椅子の肘掛けが気になるみたいだな。王族とかしか使わないのかな。

 一通りツンツンして満足したのかマインは近い席に座った。

 アオイは…既に座ってるみたいだな。


「「「いただきます」」」


 やはり日本の文化を外国人が使っているのを見ると嬉しくなるな。

 しんみりしていた気持ちをポケットから取り出す。

 一通り鑑賞に浸ってから僕は料理を食べようとフォークに手を…


「って、ちょっと待って」

「どうしたんですか…」

「何でマインはそんな食べ方をしているんだ?」


 チラッと目に入ったマインの食べ方がおかしかったので聞いてみる。


「え、このフォークの様な物で食べるのではないのですか?」

「いや、確かにそのフォークで食べるんだけど逆なんだよ」

「逆ですか?」


 マインが右手で持っていた僕らの世界の三又フォークを左手に移す。

 うん、そういう事ではない。


「そうじゃなくてどうして柄の方で食べているのかって聞いているんだよ」

「こっちが柄だったんですか」


 マインが驚いているが僕には訳が分からない。

 異世界人には元の世界の食器の使い方が分からなくても不思議は無いんじゃないかって?

 魔術ギルドの隣にあった料理屋の看板は三又フォークが肉に刺さっている絵だったんだよ。

 だから知ってる物だと思っていたんだけどな。


「そうだったんですね気を付けます」


 とりあえず気になっていた事は解消したので料理を食べるのに集中する。

 少しの間マインがフォークを皿にぶつけるカチャカチャという音だけが食堂に響く。


 何の理由も無くアオイの顔を見るとマインの皿を凝視してた。

 マインの皿に乗っているお肉が欲しいのかな。


(どうしたんだアオイ、マインのお肉が欲しいのか?)

(ち、違いますよ。マインの食べ方を見てみてください…)


 食べ方? ちゃんとフォークの柄を持って食べている…


「どうしたんですか? レン様」


 マインが不思議そうに聞いてくる。

 その間もマインの手は肉を一口大に切り分けていく。すごい技だ。

 肉を切り分けるぐらい誰でも出来るだろって?

 君はフォークで肉を綺麗に切り分けられるのかい?

 マインの生活って絶対切断に支えられているんだな。


「せめてナイフを使って切り分けないか?」


 マインはナイフを左手で遊びながら答えてくれた。


「ナイフでも切り分けられるんですけどいちいち持ち変えるのが面倒なんですよね」


 普通はフォークで切り分けたりは出来ないからね。

 まあ、楽しんでるみたいだしいいかな。

 その後、少しの間料理に舌ずつみを打ってからお風呂に入ることにした。

 せっかくお風呂を作ったのに入らない理由など無い。


 今回はアオイ達の前にお風呂に入らせて貰った。

 お風呂の設備が使えるか確認したかったからだ。

 この屋敷のお風呂には蛇口が2つとシャワー、湯船がある。

 収納の中では温度を保つことができるのを利用して沢山の真水、冷水、熱湯を用意してある。それぞれ学校の25メートルプール2杯分ずつ位はあり、真水は畑などにも回しているのでいつも補充している。

 お風呂の蛇口はそれぞれ熱湯と真水に繋がっており、熱ければ真水を、冷たければ熱湯を加えて温度を調整するというわけだ。

 温度計も作ろうと思ったのだけど水銀の作り方が分からず結局諦めることになった。

 そのため片足を湯船に突っ込み蛇口に両手を置いて上手く温度を調節する。


「このくらいでいいかな」


 約45度位になった。

 もちろん湯船には浸からない。というか面倒くさい。なのでシャワーだけを浴びる。シャワーは専用のタンクからお湯が出ているので使う時にいちいち温度を調節する必要が無いのが利点だな。


 サッと体の汚れをシャワーで落としてタオル(雑貨屋で売っていた)を使って体を拭く。

 ついでに風を魔法で起こして髪の毛や拭ききれなかった水気を飛ばす。これで人前に出ても大丈夫だな。

 それじゃアオイ達を呼ぼうかな。



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