表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/134

第48話 理科の実験

「私達も加速できるのですか?」

「できるよ。ちょっと待ってくれ」


 マインの期待に応えるため野菜の種をゴブリン豆が生えていない所に撒く。

 僕らの時間を現実世界の100分の1にして種たちの時間を現実世界の10倍にする。


「すごい速さで成長してますね」

「まるで理科の実験映像みたいですね…」


 すると野菜達が理科の早送り映像みたいにグングン育つ。

 収穫出来そうになったら幾つか僕らと同じ時間にして回収する。その結果、作物の山が出来た。


「時間を早くすることで代償とかはあるんですか…」


 アオイがイチギを収穫(摘み食い)しながら聞いてきた。

 さすがに気付くか。


「魔力を消費するんだ。特に加速する時が多いな。時間を2倍、3倍する事に消費魔力が2倍、4倍と増えていくんだよ。ただ遅くする時は2分の1、3分の1する事に2倍、3倍になっていくんだ」

「魔力を消費するんですか…」

「等倍だと殆ど0に近いけどな」


 ただ加速しすぎると魔力が抜けていく感じがするからあまり加速させたくないんだよね。


「そろそろ帰りませんか」

「そうですね。そろそろ夜ご飯も食べないといけないですし…」

「ご飯いるのか?」


 2人が黙る。 そして後ろを向いてお腹のあたりに手を当てる。おそらくお腹の肉を摘んでいるのだろう。


「…チッ」

「…ふぅ」


 どうやら摘めたみたいだな。僕ら男の子には理解できない感情だ。


「そうですね。今日はやめておきましょう」

「早めに寝ましょう…」


 悲壮な雰囲気が漂っているな。


「そうだな。さっきまでイチギを沢山食べてたしこれ以上太りたくないしな」


 ド直球で言ってみた。


「って、あ、ぶねぇ」


 いきなり矢とキャレットが飛んできた。

 キャレットなんか後ろの土山を貫通してるし、もしかして絶対切断って飛び道具にも付与出来るのかな。

 にしてもアオイとマインからの殺気が半端じゃない。


「気にしていることを言葉にしないでください…」

「私だって女ですから」


 2人共顔は笑っているけど目が全く笑っていない。

 2人を怒らしたけどどうするんだって?

 それはもちろん


「すいませんでした」


 「DO☆GE☆ZA」(土下座)に決まっているじゃないか。

 僕はアオイとマインに、誠心誠意謝ることにした。


「もうこんなことはしないでくださいね…」

「レン様ですから1度殺すだけで許してあげます」


 どうやら許してくれたようだ。マインは少し分かり難いがあれで許してくれているらしい。

 マインの言い分は


「どうせ殺されるんですから開き直りましょうよ」


 これで毎回ゴリ押ししてくるんだけど、僕が殺される前提なのはおかしいと思う。


「レンくん、そろそろ出してください」

「ああ、そうだったな」


 3人が入るよりも少し大きめの魔法陣を出して野菜を少し乗せる。

 2人が入ったのを確認してすぐに現実世界に戻す。


「部屋が荒らされたりとかはないみたいですね」

「帰ってきて1番に言うことがそれなのか」


 確かに帝国の騎士とかが朝起きたら隣にいたってイベントもあったけどそうそう起こらない事だろう。


「もう寝ますね。おやすみなさい、レンくん」

「敵が来るかもしれないので気を付けてくださいね、レン様」

「おやすみ、アオイ。それとマイン、いちいち敵の心配してたら体が持たないぞ」


 主にマインの体だけどな。僕は超回復と状態異常で全く問題がない。

 アオイは眠そうにマインは心配そうに女子部屋(寝室)に戻っていく。

 さて僕も寝るか。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ