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第44話 畑

「魔術ギルドから帰ってきてレンくんと別れてすぐで作り始めたので…」

「7時間ほど前からですね」


 アオイの言葉をマインが継いで言った。


「これを作るのにそんなに掛かったのかよ。てっきり遊びにでも行ってるのかと思ってた」


 マインが恨めしそうにアオイを睨んで。


「私もそうしようって言ったんですけど『レンくんがお腹をすかして待っているんです…』って言って聞かなかったんですよ」


 なんでそんなに睨んでいるんだろう?


「マインはその間何をしていたんだ?」

「アオイの料理を手伝ってました」


 げ、この中にマインの料理が混じってたのか?


「マインに手伝って貰ったのは下ごしらえだけなので大丈夫ですよ…」

「そ、そうか。それなら安心だな」


 だから不味い料理がなかったのか。


「私だって美味しい料理くらい作れますよ」

「いや無理だと思うぞ」


 あ、マインが落ち込んじゃった。

 もうこれ以上は食べれないし収納するか。


「2人共テーブルから少し離れてくれ残りの料理を収納する」

「わかりました…」

「お願いしますレン様」


 相当な量があったためまだ手付かずの料理もいくつかあった。これは野営する時に食べようかな。


「あ、レンくん、ゴブリン豆は何処に植えるのですか?少し料理で使いたいのですけど…」


 確かに大豆が使われている料理がほとんどないな。肉の付け合せで少し出てきたぐらいだからな。


「ゴブリン豆ならお昼に貰った物を畑に植えておいたよ」

「畑ってどこの畑ですか…」

「僕の収納の中」


 元々ここには少しの間滞在するだけだから豆が育つには少し時間が足りない。そこで考えたのが収納内農場だ。女神様がやっていたように土地を収納の中に入れて使用する。ファイヤーボールを圧縮したら太陽に似たような物が出来ることを今日の練習中に知った。後はそれを維持して適度に水を撒けば畑として十分機能する。擬似太陽の維持に魔力を沢山使うが超回復がある僕には問題ない。


 こうしてゴブリン豆の生産体制が整った。


 これをアオイとマインにも説明する。


「寝ている時も太陽を維持しておくのですか…」

「いや寝ている時は消して畑を夜の状態にするんだ」


 メシア先生によると日光を当て続けると豆の中の時計が狂うらしい。本当は何がどうなってどう悪いのかきちんと説明してくれたのだけど難解すぎて理解出来たのはこれだけだった。


「レン様の収納スキルは地面さえも入れれるのですか」


 マインが驚いている。

 でも世界を1つ丸ごと入れてる神様を見たことがある僕達からすれば畑1つくらい入れた程度では驚きはしない。

 そろそろ暗くなってきたな。寝るか。

 アオイとマインに一言言ってから部屋へ戻る。

 今日あった出来事を思い浮かべながら眠りについた。


 ───────────────────────


「起きてください、レン様」


 ん? ああ、マインか。こんな朝早くに何の用だろう? まだ8時なのによく起きられるな。


「ギルドから招集がかかってますよ」


 え?何も来ていないけど、ああそうかまだFだから連絡が来ないのか。


「何かあったのか?」

「へブリー平原に魔獣が出たらしいです」


 魔獣? それなら騎士や冒険者が倒してくれるんじゃないのか?

 いや、きっとそうだろう。倒してくれるはずだ。


「騎士達に任しとけよ。僕は眠いから寝る」


 こういうことは本職に任せよう。魔獣退治は騎士や冒険者に寝るのはニートに餅は餅屋だ。適材適所それ大事。


「この街1番の騎士団が殺られたんですよ」

「そいつらとマインが戦ったらどっちが勝つんだ?」

「私なら3分で全滅できます」


 10歳の女の子に3分で全滅させられるこの街1番の騎士団(笑)。まあマインは魔王の右腕だからな。今更だが魔王の右腕が勇者と一緒にいていいのかな?


「なぁマイン、魔王の右腕が勇者と一緒にいていいのか?」

「魔王の右腕って誰がですか?」



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