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第3話 元の世界に帰る話

 ぐいーっと背伸びをしたあと、女神様がボクのスマホを指さす。


「色々と下界に降りた後、気になることもあると思うので連絡先追加しておきました」


 と、衝撃の事実。

 ちなみに女神様の手に人形はもうない。多分どっかの龍が描写するのに疲れたんだろう。

 ちょっと寂しいなと思いつつ、スマホの連絡先を開く。


「女神様の名前はサーリアって言うんですね」


 スクロールするほど登録されてない連絡先の中に見慣れない名前があった。

 家族を抜けばこれで連絡先は3つ目だ。


「ええ、それが私の名前です」


 そう言ってニコって笑ってくれる。うん、可愛い。


「それで友達を連れてくることが出来ますが、誰か希望ありますか?」


 えー、まさかの説明もなしに連れてくるのか?

 さすがに世界の引越しは許可取りたいんだが。親しき仲にも礼儀ありとかそんなレベルじゃないし。


「なるほど、確かに突然連れてくるのは可哀想ですね」


 今まで勇者してた連中何してたんだよ。定期的にってことは前もあっただろうし。その時のやつは簡単に友達を異世界に連れて行ける性格だったのか?


「前はウッキウキで着いてきてましたね」

「度胸あるなぁ」


 男は根性、女は度胸とは言うがあの子にそんな度胸があるとは思えん。ちなみに僕にも根性はない。

 この言葉作ったやつは早めに現代版に書き直して欲しいもんだ。


「では1度、元の世界に戻しますね」

「できるだけ早めに終わらせてくるね」


 と1度帰れることになったが辺りを見回しても何も無い。まさかあの歪みを通ったら帰れるとでも言うのだろうか。

 同じ白い世界だが黒い目と手が詰まったでかい扉どころか穴すらない。

 ここにあるのは空との境目が分からない地面と女神様と僕だけだ。


「ワープホールでも作ってくれるんですか?」

「ちなみになんですが、クレナイさん」


 何やらものすごい真剣な顔で錫杖みたいなのを握りしめた女神様が尋ねてくる。


「天国、神の国ってどこにあると思います?」

「天国って言うくらいだし空の上じゃない? 神様や天使の絵は雲と一緒に描かれることが多いし」

「なら地上ってここから見てどの方向か分かりますか?」


 と、言われたのでゆっくりと下を見る。

 不思議なことに今まで何も無かったはずの地面に線みたいなのが見える。まるで忍者屋敷の落とし穴みたいな、地面に張り付いた窓みたいな。


「えーっと、人間って落下ダメージ受けるの知ってます?」

「魂だけ呼び出してるので元の体に戻るだけですよ」


 よくある落下し続ける

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