第29話 アオイと二人きりになったけどどうしよう
「ありがとう」
僕はおっさん(ちゃんとガレンっていう名前があるらしい)に教えられた部屋に行った。
部屋の大きさは僕の部屋と同じくらいで家具は机だけのシンプルな内装だ。
そして中にはアオイしか居なかった。マインは何処に行ったのだろう?
「マインは何処に行ったんだ?」
「あの子なら盗賊を渡しに冒険者ギルドに行きましたよ…」
入れ違いになったのかな? でもアオイには念話で伝えといた筈だから入れ違いにはならないと思うんだけどな。
「2人きりで話したかったのでマインに少し外して貰ったんです」
おっ、もしかして僕がマインと仲良くしてるから妬いちゃったのかな?
と普通なら返しているのだが、今話しているアオイの目は──真剣だった。
「話したいことって何だ?」
「レンくんが結んだ契約の事です。今まで忙しくて聞けなかったので今聞きます。何故マインを仲間に入れたんですか?」
「それは…」
マインと仲間になった方が良かった事と初めての仲間でそう簡単に切り捨てられる物ではなかったからだ。
「仲間にするとしても私のスキルを使えば簡単に仲間に入れることが出来るのは知っていますよね?なのに私を頼らなかった。どうしてですか?」
「確かにアオイの力を借りればマインを信者化して危険がないように出来ただろう。だけど信者は仲間とは呼べない」
「仲間なら私がいますよ」
「1人じゃ足りないんだよ。少なくとも3人以上居ないとパーティが作れない」
それに2人で魔王を倒そうなんて思わないからな。
「わかりました。でもまたマインが敵に回ったらすぐに殺しますからね」
──殺す その言葉をアオイは簡単に言った。もちろん冗談などでは無くマインが敵に回った時は即座に実行するだろう。
引っ込み思案で言いたいことを最後まではっきり言えないからと言って敵と認識した相手を殺すことを躊躇う理由にはならないからだ。
そしてレンに敵対する者には容赦しない。
そんなレンしか見ていないアオイとアオイを友達としか見ていないレンの関係はとても歪だ。だが2人共その事に気付いていない。
「ああ、それでいい」
フッとアオイの顔から真剣味が抜けピシッと張り詰めていた空気も緩んだ。
「そうですか。それなら問題ないです…」
アオイが元に戻ったみたいだな。時々こうなることはあったけどなんなんだろうな。
しかしマインは遅いな。どこまで行ってるんだろう。もしかして迷っちゃったかな?
「アオイ遅いな」
「盗賊の引き渡しに手間取っているのでしょうか…」
マインの事だから手間どるなんてことはないと思うんだけどな。
もしかして事故とかあったのかな。少し心配だな。
「今からギルドに様子を見に行くけど、アオイはどうする?」
「私もついて行きます…」
レンはアオイを連れて迷宮へと旅立った。
というネタはほっといて、僕らはマインを探しにギルドに行った。
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私は今冒険者ギルドに向かっている。アオイに盗賊を渡しに行けと促されたからとレン様に会うためだ。
「今日は良い天気ですね」
思わずそんな言葉が口から漏れる。だがそれも仕方がないでしょう。レン様に会えるのだから。
少し前に私はレン様と殺し愛をした。
普通の人とは違うと思う。異世界では知らないが、少なくともこの世界では殺そうとしてきた相手はさっさと殺してしまうのが普通なのにレン様は殺し合いを楽しんだ。
それが理由なのか分からないが私はレン様の事が好きだ。
好きで好きで殺したくなるくらい好きだ。
ヤメガから聞かされてからずっと考えていた人だったのもあると思いうのです。
それに私と戦っても話が出来るほどの実力で錬金術や鍛冶も出来る。そして見た目も良い。好きになるなと言う方が難しいと思うのです。
さっさと勇者を惨殺してレン様と暮らしたいです。そしてレン様を殺したいです。
レン様が居ればあの勇者を5ミリ毎に切り刻むことも出来そうです。
「はぁ、ギルドには着きましたがレン様には会えなかったですね。途中ですれ違ってしまったのでしょうか」
レン様に会えなかったとなると自然にため息が出てしまいます。
もちろん落ち込んでても仕方が無いのでギルドには入りますが。
「すいません。盗賊を捕まえたんですが」
「はい、盗賊ですね。それでしたらこちらに──っ!」
受付の人が驚いた様な怖がっているような不思議な顔をしていますね。そんなにこの盗賊達は強いのでしょうか。私とレン様の2人で倒したのであまり強さが分かりにくいですね。(メシア)アオイも戦っていましたよ)
「おい嬢ちゃん」
いきなり後ろから冒険者で額に傷がある男に肩を掴まれた。
「何でしょうか」
「もしかして『人斬り』って言う名前じゃないか?」




