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第25話 やはり異世界の料理水準は低かった。

 さて料理です。食べ物を調理します。何当たり前のことを言っているんだと思うかもしれないが今まで何も食べて来なかった僕にとってはとても大切な事なんだ。なぜなら、


「レン様、私も手伝いましょうか」

「やめてくれ」

「やめてください…」


 この流れでもう気が付いている人もいるかもしれないが、マインは料理が出来ない。大事な事だからもう一度言おう。

 マインは料理が出来ない

 御者も狩りも人殺しも出来るマインなのだが何故か料理は全くできない。道中で出された料理には本当に驚いた。生焼けの硬いお肉とそこら辺で取れた名前もわからない野菜(雑草)の寄せ集めだったんだよ。一言で言うと不味い。二言で言うと苦くて不味い。お肉を焼いただけで苦くする調理法を僕は初めて知った、焦がさなくても雑草を燃やして焼くだけで苦くなるんだ、みんなもよく覚えておこう。

 不味かったマインの料理の事は記憶に蓋をしておくことにして、料理を作ろう。

 まずは人参のような味がする木の実と外で狩って来た猪の肉とその他のハーブを鍋(鉄鉱石を錬金術で加工して作った)で煮込んでスープの完成、これに街で買った丸パンと焼いた肉を添えて今日のお昼ご飯は完成だ。まあ、錬金術を使ったら一瞬でできるんだけどやっぱり火を使って調理しないと料理した気にならないからな。


「ご飯できたから食べるぞ」

「レンくんは昔から料理が上手ですね…」

「レン様は料理が下手な人は嫌いですか?」

「いや、料理は僕ができるから料理が上手くなくても大丈夫だよ」

「そうですか」


 マインは安心したみたいでものすごい速度でスープを食べだした。


「マインはいつもあんな物(激マズの肉)を食べてるのか?」

「はい、だからこんなにも美味しいご飯は初めてです」

「そうかそれは良かったな」


 まあ、家畜の餌(アレ)に比べたら殆どの料理が美味しく感じるだろう。いつも美味しい物を食べている日本人からすれば物足りないけどな。


(レンくん、女の子の手料理を家畜の餌とか呼んだら可哀想ですよ。それにレンくんの料理は美味しいですよ…)


 うわっびっくりした。いきなり来ると対応しきれないな。


(何でわざわざ念話で話さないと行けないんだ?)

(自分の作った料理が家畜の餌って聞いたら傷ついちゃうかもしれないですから。それにやっぱり信用出来ません…)


 やっぱり信用出来なかったか。元々僕以外に友達が居なかったからな。違う世界のそれも殺そうとしてきた相手と仲良くすることができないんだろう。まあ、この事は後回しだな。本人が頑張る問題であって僕が何とかしないと行けない訳ではないからな。

 マインが荷物を整理してる。どうしたんだろう。


「お昼ご飯も食べましたし、そらそら王都に帰りましょう」

「そうですね。早めに帰りましょう…」


 なるほど。帰り支度か、そう言えばこの世界に来てから1度もベッドで寝てないな。昨日は寝る前に喧嘩を始めたからな。それに洞窟で採掘していたせいか体が埃まみれだ。シャワーを浴びてスッキリしたい。

 僕は周りに落ちていた鉄鉱石と苔付きの石を収納に入れてアオイ達の方に振り向いた。


「レンくんの収納は便利ですね…」

「そうかな」


 僕はアオイの天使の羽も充分便利だと思うけどな。


「レン様、馬車の準備が出来ました。どうぞ乗ってください」


 よし、それじゃあ帰りますか。


 それで今は馬車の中何だが、突然の会議が始まった。何でも


「計画と目標がなければ人間は何も出来ないんです。だから計画を立てましょう…」


 ということらしい。勿論突っ込んだよ。


「人間は僕だけだから計画立てなくても大丈夫だろ」

「レンくん、巫山戯ないでください…」


 怒られちゃった。

 まあ、そんな訳でどんな目標にするか話し合っているんだけど。


「強い武器や防具を揃えましょう。王様に貰った武器だけではこころもとないです。それに私やあなたは攻撃を受けても大丈夫ですが、レンくんが攻撃を受ける可能性だってあるんです。早めにレンくん用の防具を揃えましょう」


 いやいや、アオイは心配してくれているみたいだけど僕は勇者スキルと超回復でほぼ不死身だから問題ないんだよ。


「いいえ、武器よりも仲間を集めましょう。さすがに3人では足りません。それに今のパーティはレン様に頼りすぎています。もう少しレン様が休めるようなパーティを作りましょう」


 マインが言うほど僕は働いてないよ。収納使った物の出し入れと錬金術で料理するくらいだよ。これ以上仕事減らされると何もすることが無くなるよ。


「レン様はどちらが良いと思いますか!」

「レンくんはどちらが良いと思いますか…」

「そこで振るのかよ。僕はそれよりもこの嫌な予感の方が気になるんだけど」



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