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第22話 ツルハシってどうやって作るんだろう

 マインが仲間になりました。これで一件落着。

 というわけにはいかなかった。なにせマインは戻って来ないし、アオイがものすごい形相で怒り出して、今も怒られてる真っ最中である。


「い、いきなり出会ったばかりの仲間と殺しあって何やってるんですか…」

「わ、わかったから落ち着いてくれ」


 戦いが終わった後の方が疲れたんだが、なんでこんなことになったんだろう。

 まあ細かいことは気にしないけどな。

 マインはまだ帰って来ない。拾いたいものってなんなのだろうな。

 アオイの怒りを収め終わって一息ついていた時にマインは帰ってきた。


「レン様、これからよろしくお願いします」

「れ、レン様?」

「はい、私は殺す価値があると判断した人には敬意を示しますから。もっとも敬意を示して直ぐに死んじゃうんですけどね」

「そうか、よろしくマイン」

「こちらこそよろしくお願いします。レン様」


 拾いたいものは拾えたみたいだな、僕をレン様と呼ぶのは予想外だけど。

 あの戦いのあとにマインから勇者の話を聞いてみたのだが、聞いてみる限りあの勇者はひどい奴だった。

 マインの村を騎士達と襲い村にあった食べ物や剣などを根こそぎ奪っていったらしい。ひどい奴だとは思うがあの年齢だからな、悪い大人たちにあることないこと吹き込まれたのかもしれないしあったら聞いておかないとな。さて戦っているうちに明るくなってきたし帰りますか。


「そろそろ帰るぞ」

「はい」

「わかりました…」


 よかった、アオイの機嫌は直ったみたいだ。もうこれからはあまり怒らせないようにしよう。

 あと帰る前にフェンリルを探してみたけど会えなかった。まあマインが言うには一生に一度会えるか会えないかってレベルの珍しさで会えないまま一生を終える人の方が多いらしいのだがやっぱり会ってみたかった。残念。


「レンくんあそこに何か見えませんか?あの崖の真ん中あたり…」


 崖の真ん中あたり? 来るときには気がつかなかったけど洞窟があるな。洞窟か、ゲームだったら鉱石とかが手に入るんだけどこの世界でも手に入るのかな。


 メシア)はい、あの高さの洞窟からは鉄や銅などが手に入ります。マスターは鍛冶スキルを持っているので鉱石があれば強い武器を作ることができます。


 鉄と銅か、あまりレアな鉱石ではないみたいだけどLv15の鍛冶があるから普通以上の物は作れるだろう。そうと決まったら早速行動するか。


「マイン、崖の洞窟に向かってくれ」

「わかりました。でも何か掘るものを持っているのですか?」

「あ」

「やっぱり持ってなかったのですね」


 忘れてたな。どうやって鉱石を取ろうかな。多分アカギ使ったら掘れるとは思うけど鉱石まで切っちゃいそうだな。


「レンくんは錬金術でツルハシを作ったり出来ないのですか…」

「作ったことが無いからわからないな。ちょっとやってみるか。マイン、馬車を止めてくれ」


 それじゃあそこら辺に落ちてる石を拾って錬金術で…どうやるんだっけ? 今更だけど王城でロープ作った時は無意識だったしそれから1度も使ってないんだよな。メシア先生に教えてもらおう。


 メシア)材料を持ち作りたいものをイメージすると原子を組み替えてイメージした物を作り出します。また生産系のスキルを持っていた場合そのスキルを同時に使えます。例えば食べ物を持っている状態で錬金術を使って料理を作ると料理スキルも使用され質が上がります。


 なるほど、つまり錬金術で剣を作ることはできるが鍛治で作った物よりは質が落ちる。だけど鍛冶を持っていれば質はそのままで素早く作れるということか、便利だな。

 それじゃあツルハシをイメージしてみるか…おお、出来た。でも持ち手の部分も石だな。使ってるうちに手のひらに豆できそうだな。


「すごいですね。レン様は錬金術を使えるのですか」

「そうですよ。レンくんはすごいんです。それとレンくん、そこに落ちている木の枝と一緒にツルハシを作ったら持ち手の部分が木になると思いますよ…」

「なるほど。さすがアオイ、頭いいね」


 しかしこの木の棒の色がすごい黒いけど山火事でもあったのかな?


 メシア)それはブラツリーという名前で芽生えた時から黒くよく燃えるので重宝されています。


 よく燃えるってことはこれは木炭なのかな。ちょっと試してみるか。


「えーと、高温を加えながら圧縮っと。出来た」

「レンくんそれってもしかしてダイヤモンドですか…」

「"だいやもんど"とは何ですか?」

「宝石の1種だよ。すごく硬いんだ」


 やっぱりブラツリーは炭素の塊だった。これならダイヤモンドのツルハシを作れるな。でも持ち手の部分がないな。


「マイン、その木箱を使っていいか?」

「いいですけど中に入っている食料を何処かに入れないといけませんよ」


 それ食料の箱だったんだ。道理で近くに生えてなさそうな野菜が食事の時に出てくるわけだ。


「言ってくれたら俺が持つぞ」

「いえ、馬車に乗せた方が動きやすいと思いますよ」

「いや、僕は収納を持ってるからこんなふうに物を仕舞えるぞ」


 そう言って木箱の中の野菜を収納に入れたらすごい驚かれた。あれ? 言ってなかったかな。


「大きなテントを出してただろ。その時に何か気が付かなかったのか?」

「てっきりそこら辺の木を集めて即席で作ったのかと」

「そうだったのか。言っとけば良かったな。他に言い忘れていることってあったかな」

「レンくん、私達の武器の説明はしてくれないんですか…」

「…………忘れてた」



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