第109話 海で泳ごう
明日投稿予定の話を投稿してしまいました。
この話が本当の110話です。
明日改めて第111話 海 を投稿します。
混乱させてしまって申し訳ありません。
「そうだ、海に行こう」
突然黄色いのがそういった。ライトは黄色いアロハシャツに黄色い短パンを履いていた。
しかし突然なんだ? もう、頭がおかしくなったのか?
ということをレンも思っていたみたい。ただレンはボクよりもライトのことを理解していたみたいで少し疑問に思うところが違っていた。
「もしかして女の子成分が枯渇したのか?」
いや、少しじゃなかったみたいだね。
全然違う。というかボクの知らない成分が出てきたし。
「そう、さすがレンだな。俺の事をよく分かってる」
「でもマインやアオイもいるしというか婚約者だっているだろ?」
そんなレンの言葉に首をふるふると振りながらライトが応える。
「あれだけ忙しい彼女に女の子成分の補給を頼むだと? ダイヤモンドよりも硬いガードのメイドで女の子成分を補給しろと?」
まあ、確かにエリザベスは国のことや婚約の関係で忙しいし、メイドたちは女の子らしさを完璧に消し去り、まるで機械のように仕事をしている。
「それならアオイはどうなんだ?」
「ふ、貴様は異世界に来て幼馴染で女の子成分を補給しろと申すのか?」
突然口調が変わったライトだが言っていることが訳分からないのは変わっていない。
「わかった。じゃあ海に行くか」
「おお、これで水着姿の女子たちが見れるのか!」
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まあ、そんな訳で海に来た。
海なんてどこにあったんだ?
という方達もいるだろう。海はメナール法国の向こう側にあった。そのためメナール法国の上を飛ぶことになったのだが当たり前のごとく沢山の剣がレンたちに向かって投擲された。もっともその全てをレンが風魔法で吹き返し、事なきを得た。
「「海だー」」「海ですー」「海ですか?」
まるでアニメのように両手を振り上げながら空中で叫んだレンたち。もっともジャンプしている訳ではなく高所からの落下である。この中で唯一生身の人間であるライトだけはアオイに捕まりながらの降下であるが。
最初の2人はレンとライト、次がマイン、そして最後がアオイだ。
「なんで疑問形なんだ?」
「逆にあの裂け目を見て何も思わない方がおかしいと思うのですけど…」
アオイが見ているところにあるのは幅が50メートルほどで長さが数キロほど、そして深さはマグマが見えるくらいという、なんかやばーい裂け目である。
「ああ、それは確か先代の魔王と勇者の戦いの傷跡らしいですよ」
どんな戦い方したんだよ。
って思うのは間違っているのかな?
「それでその裂け目に海の水がダバーと流れ込んで雲ができるんですよ。それで名前がオケアノスなんです」
マインから海の説明が来た。
「裂け目があろうが太陽が降ろうがどうでもいいんだよ。とりあえず泳ごうぜ」
何かよくわからないものに取り憑かれているのかテンションが振り切っているライトにレンが太陽の雨をプレゼントしてあげる。
「ぐう、あ、あぶねえ。何するんだよ」
「いや、太陽が降っても関係ないとか言ってたからさ」
「いや、冗談に決まってるだろ!」
それが決まってないのがこいつらだからな。
ま、そんなことはおいといて水着の説明に入ろう。
レンは赤い水着と水に濡れても大丈夫なマントでライトは黄色い水着なのだが野郎の水着などどうでもいい。
問題は女性陣である。
アオイは白いビキニに鍔が広い白い帽子を装備。白い羽と合わさってまさに天使。
それに対してマインは黒の水玉ワンピース。ちゃんと15歳の女の子らしい水着でとても可愛らしい。
ついでに着いてきたメイドたちも水着に着替えた。メイドたちはフリル付きの黒いビキニで無表情なメイドたちとすごくマッチしている。
「ああ、ようやく楽園を見ることが出来た……」
ライトが満足そうにそう言った。
「さて泳ぐか」
「そうだな。もうこんな楽園に来れることはない気がする。泳げるだけ泳がないとな」
そう言ってレンとライトが海に向かって突っ走って行く。
そして二人同時に飛び込んで突然泳ぎ出す。
どうやら少し向こうに見える小さな島のような所にどちらが先につけるか勝負しているみたいだ。島までは2キロほどあるが2人なら泳げるだろう。
しかし、いつの間にそんなことを決めていたんだ?
「うぉぉぉぉぉぉ」
「……」
叫びながら泳いでいるのはライトだ。対称にレンは無言で泳いでいる。
レンは小学校で習ったクロールを泳いでいる。龍鳴は少ししか泳げないので今頃悔しがっている所だろう。そしてライトは軍で習った泳ぎ方をしている。
明らかにライトの泳ぎ方の方が速いのだがレンは体力を一切考えずに全速力で泳いでいるのでクロールでもついていけてる。
またレンは一切息継ぎをしていない。すごいね、2人も馬鹿みたいに速く泳いでるよ。
ライトは叫べるくらいには余裕があるみたいだけどな。
『ん? なんだこれ?』
ライトが海の中に漂っていた触手をツンツンする。
するとそれに怒ったのか高さ20メートルを超す大きなイカのような魔獣が現れた。
『邪魔だゴラァ!』
『……死ね!』
2人が全力の攻撃を加えて魔獣を倒して先に進む。
ということが起きてもいい展開だったのだが残念ながら魔獣たちはレンを襲えないのだ。
ただレンとライトが互いを邪魔し合いながら島を目指し、結局海流に上手く乗ったライトの勝利となった。
うん、やっぱり君たちは何かあったら邪魔し合うんだね。