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第107話 朝ごはん!

「…様……レン様」


 何か名前が呼ばれている気がする。


「レン様、起きてください」


 ああ、なるほど、マインか、マインの夢を見てるのか。ならいいや寝よう。


 と、二、いや三度寝に入るがなんかやばそうな気配を感じとってベッドから転がり落ちる。


「ま、マインさん?」

「レン様、朝ごはんですよ。早く起きてください」

「……はい」


 人の首くらい軽く落とせそうな鎌を持ったマインの姿を見てレンが起き上がる。

 結局マインの鍛錬の姿を見たにも関わらずあの後二度寝したのだ。

 そして今度は三度寝に入ろうとしたのだがマインはそれを許さなかったわけで。


「あれ? そう言えば朝ごはんって誰が作ったんだ?」

「私ですよ?」


 レンがピタッと止まる。


「あれ?そう言えば朝ごはんって誰が作ったんだ?」

「私ですよ?」


 2度聞いても全く変わらない答えにレンが諦める。


「だ、大丈夫なのか?」

「あれから料理スキルを3レベルまで上げたので大丈夫ですよ」


 と、宣言通り、とても美味しそうな料理が食卓には並べられていた。

 ただ、料理だけでなく分厚い書類も置いてあった。


「何これ?」

「私の4年分の研究成果ですよ。レン様も私と同じように研究しませんか?」


 レンが書類をペラペラとめくる。

 内容は生贄として魔力が豊富な人間を使った大規模魔法のやり方からお菓子の作り方まで多種多様だった。


「それで、やりますか?」

「面倒い、難しい、ケーキ食べたい」

「ケーキ食べたい!?」


 ああ、まあ、美味しそうなケーキの写真が載ってるからなぁ。


「いや、やっぱりまずは朝ごはんかな」

「はあ、結局やってくれないんですね」

「まあな。それよりもこの国がどれだけ大きくなったか、が知りたいな」

「元フレード王国領と魔の森だけですよ」

「5年もあったのにか?」

「逆に5年も王が眠っているのに維持できた方が凄いですよ」


 ああ、そう言えばそうだったなぁ

 と、エッグトーストにかぶりついているレンが言う。

 あ、マインの料理は見た目通りで美味しかったみたいだね。


「魔王を滅ぼそうとする勇者も生まれたそうですよ」

「そりゃまた面倒臭そうな」


 面倒くさそうと言いながらパンをコーンスープに漬けて食す。


「魔王を倒せる聖剣を抜けると言われてるみたいですね」

「聖剣?」

「敵の魂を削り取れる代わりに自分の体も傷つくだとか」


 マインがコーンスープを飲みながらそう言う。


「え、魔剣じゃん」

「魔力量が多くないと抜けないらしいんですよ」

「アオイは?あいつも魔力いっぱい持ってただろ?」

「アオイが触れてしまうとその呪力が消えてしまうらしいですよ」


 スプーンで飲むのがうっとおしくなったのかお皿に口をつけて一気飲みする。


「呪いって言っちゃってんじゃん」

「レン様が抜いたらどうですか?」

「そうだな、時間があれば抜いてみるよ」


 朝食を食べ終わり。

 お皿を片付けてマインが騎士団長としての仕事の準備をする。


「鎧は着ないんだな」

「重いだけですからね」


 革でできた簡単な防具だけつけてマインが用意を終える。


「行ってきますね、レン様」

「行ってらっしゃい、マイン」


 マインが玄関から出ていき、家の中にはレンひとりになる。


「えーと、」


 家の中を見回し、自分に出来ることを探す。


「……時間が出来たな」


 そうだね聖剣抜きに行こうか。



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