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第95話 吊り橋効果

「そう言えばお前らの馴れ初めってなんなんだ?」


 突然ライトがマインとレンに聞いた。


「ああ、馴れ初めか」

「そう言えば言ってなかったな」


 レンが紅茶をズズっと啜り話を進める。


「まず俺達が出会ってすぐに殺しあってな」

「それが終わった時には既に好きでしたね」

「うん、ちょっと訳がわからん」


 つまりだな、とレンがものすごい理論を展開しだす。


「吊り橋効果って知ってるだろ」

「ああ、知ってるぞ」


 まあ、一応知らない人たち用に説明しておくと吊り橋──


「まあ、吊り橋みたいな怖いところでドキドキすると一緒にいる異性に恋を抱いていると勘違いするやつだな」


 ちっ、セルフ説明ありがとう(怒)


 メシア)仕事なくなりましたね


 余計な口を挟んできたメシアの頭をペチンと叩く。


 メシア)あれぇ? 私が体を手に入れるのはずっとあとの話でまだ設定すら出来てないはずなのにどうやって叩いたんでしょうね?

 というか説明担当キャラなら知っているはずですよね?


 くっ。


 メシア)いやいや、ぬいぐるみの頭を叩くボクっ娘も需要あると思いますよ。(笑)


 ボクよりも出番少ない癖に何を言っているんだか。


 メシア)第3章になってようやく名前が出た程度のモブキャラが第1章から名前が出てる私に勝てるとでも?


 随分と煽ってくるね。昔はスキルらしく淡々と喋っていたのにあれかな? 主人公と接して心が芽生えたのかな?


 メシア)あなたと同じで意志を手に入れたんですよ。もっとも私は元からある程度の心は持ってましたけどね。何せ神の一柱ですから。


 殺るの?


 メシア)殺りますか?


『殺らなくていいから仕事してくれ』


 な、お前は……


『な、お前は……誰だっけ? とかのネタは君たち使えないからね。ここはボケずに自分の仕事をちゃんとしてくれ』


 はいはい、わかったよ。ったく、性別不明の龍のくせに……


 さてそんな馬鹿な言い争いをしている間レンたちは何をしていたかというとメイドが持ってきたケーキを食べることに集中していた。

 おそらくあの龍が話を止めといてくれたのだろう。……ただ、次言い争いをしたらものすごい所まで話が進んでそうで怖い。


「あ、そうそう、その吊り橋効果で私たちも仲良くなったんだと思うのです」


 どうやったらそんな所に付くのか鼻の頭に生クリームを付けたマインがそう言った。

 そしてその生クリームを人差し指で拭って舐めたレンが口を開く。


「殺し合うと楽しくて鼓動が速くなるだろ? それが恋だと勘違いするんだろうな」

「なんだその最悪な恋の始まり方は」


 確かにロマンチックというものからかけ離れているな。


「というか殺し合いが楽しいって訳がわからん」

「あれ? お前も戦いたいから軍隊を目指しているんじゃないのか?」


 レンの質問にライトが首をブルブルブルっと振る。そして愛用の大型リボルバー(ライトが付けた名前はプファイフ)を持ち上げる。


「俺は銃が好きなのと軍がかっこいいから入ったんだよ。殺し合いなんてなくてもいいんだよ」


 ライトも同じだと思っていたレンは少し衝撃を受ける。


「え? だってお前、昔……」

「もう俺はあんな恥ずかしいことしないよ」

「そうか……」


 普通の人間ならあまり触れない方がいいことなんだな。っとわかるはずなのだが種族が鬼であるマインは空気が読めないくせにレンの視線を読み、今まで聞いてこなかったことを聞いた。


「どうしていつもそのストラップを持ち歩いているんですか?」

「お守りだよ」

「見せてもらってもいいですか?」


 いいよっと軽く言ったライトはそのお守りをマインに手渡す。

 それは雫のような形をしていて大きさは片手で包み隠せるくらい。

 そしてガラスのような素材のそれの中には


「四葉のクローバーですか?」

「そうだよ」


 四葉のクローバーはガラスに包まれていて他には何も入っていなかった。


「本当にただのお守りなんですね」

「まあ、経緯が少し変なだけで普通のクローバーだよ。ま、経緯はいつか話すよ」


 ライトはそれだけ言って紅茶が入ったカップを空にする作業に戻った。

ライト1〜4は改稿して再アップすることになったので削除しました。

カイト&メイソンの軍事交換日記

https://ncode.syosetu.com/n9114fa/

シリーズでも繋げてあるのでぜひお読みください。


どうぞ、これからも狂気と戦争の物語をお楽しみください。

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