表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/134

第?話 神魔対戦

 雲ひとつない綺麗な空を砂埃と共に舞う。


──眼下にはミンチになった肉塊(前の俺)を砕いている女神の姿が見える。


 女神は上空に浮いている俺の姿には気付いていない。異様なほどの執着心を持って、過剰なほどの追撃を加えている。

 そんな、あまりに隙だらけなアレを見て思わず苦笑する。


 ──まさかさっきまで狂気的に殺しに来ていたアレが、ちょっと視界から消えただけでここまで油断するとはな。


 アレが地面に剣を向ける。それは力を込めず、ただ剣先を動かしただけの動作。しかし、剣先に光が集められ、空間が歪むほどの力が溜められる。そして放出。莫大なエネルギーが全て光に変えられ、地へ降り注がれる。

 おそらく地上にいたのであれば魅せられていただろう光の柱。しかし今は戦いの最中で、死の光を美しいとも思えない。光が全て消す領域のみを確認し、すぐに砂煙の中のアレに目を向ける。

 消滅の光に祈りを捧げているのか、醜く消えていくそれを哀れんでいるのか。

 どちらにせよ隙だらけのアレに向かって落下による勢いも乗せて女神の左肩から腰のあたりまで剣を振り下ろす。

 アレの切り跡からは光の粒子が零れ、再生するような素振りはない。

 しかし、アレは嗤う。

 自分の体がゴミに変わって行くのを自覚しながら、悲しみでも怒りでも怨みでもない笑み。

 喜びから漏れたその微笑みは、その美しさと裏腹に狂気的な嫌悪感を感じさせる。


 ──目が笑ってないんだよな。


 男も同じように笑い返す。もちろん狂気のブレンドを忘れずに、だ。


「さて、まだ戦えるみたいですね」


 アレが歌うように言葉を紡ぐ。それに言葉ではなく、剣撃で返す。


 これは女神と1人の男の狂気と暇つぶし(戦争)の物語。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ