高校生活始めました!
世の中の全英知を手に入れたいとは思わないか?
俺は思う。知っていると怖いこともあるが知らないのはもっと怖い。
無知の知の知の字どころか何も知らないのである。
だから俺は世界のありとあらゆる知識を身につけてみたい。
そんな風に思う、変わり者の小学3年生がいた
━━━━━俺の名前は琥懇馨馥。我ながら中二病感満載な名前だと思ってる。気に入ってはいるが名前を書くのがめんどくさい。
難点はそれだけだ。読みかたは漢字そのままだから読み間違われたりはしないが、本当にめんどくさい。
テストのたびにこの名前を書かされたんだ。小学生の時の俺にとっては苦痛でしかなかった・・・。
そんなことはどうでもいいのだった。今日は高校の入学式。俺は成績優秀、スポーツ万能、コミュニケーション能力も身長も高く、ルックスは平々凡々。
家も裕福とは言えないがお金に困ることはない、そして海外の大学へ進学して学を身に着ける・・・
なんて思っていたのだが私の前に今見えているのは真新しい校舎に「私立 嗇織学園高等学校」の文字。
創立62年の国内トップの学園ではある。しかし海外の一流学校に行こうとしてた私がここにいるかというと、事の発端は1年前、中三の春である。
私は病気を患ってしまった。といっても重度の貧血、睡眠障害、低血圧といったもで大したことはない、なんて思っていたのだがまず寝れない。
睡眠薬を飲んで寝たら低血圧で起きれない・・・というよりは自分が誰かも認識できないうえに体を動かすことができないのだ。
挙句に50mでも走ってみろ、気絶する。階段はおろか、椅子から立つことさえ困難になっていた。
すると医療機関の人が私に面会を申し込んできた。我々が医療費を負担また系列の高校に入れてくれるというのだ。こんな都合のいい話あるはずない・・・
のだが判断力が鈍っていた私は二つ返事で承諾してしまった。すると医療とはすごいものである。
たちまち治ってしまったのだ。それもそのはず、国内トップの財閥、医療、勉学、自動車から新幹線、ありとあらゆるものの元締めの嗇織財閥からのはなしであった。
私ははめられたのである。元々度々新聞にも出ていた私が病気だと知り助けたいと思ったなんて胡散臭い言葉にのってしまったのである。
前からよくうちの学校へ来ませんか?という案内はいろいろなところから来ていたのだ。
怪しんでおくべきだったと後悔している。
海外へ行けなかった場合はもともとここへ来る予定だったのだが・・・まぁ、どこへ行こうと俺の目標は変わらず、知恵を身に着けることだ。
さて、高校に入ってからなにをしようか・・・などと考えているとうしろから
「けいく~ん」と声がした。
振り返るとそこには幼馴染の小鳥遊絢華が立っていた。
この学園の女子制服のセーラーを着ていて茶髪ツインテール、巨乳で身長は145㎝。俺とは40㎝差だ。
いやしかしきれいだが、かわいいのだが、それにしてもその、なんだ、
・・・犯罪のにおいしかしない少女である。
あやかとは父親同士が職場の同僚、母親同士が幼馴染。挙句に幼稚園年中のころ隣に引っ越してきた、という切っても切れないような縁である。
そのためか小さいときはお兄ちゃんと家族のように呼ばれていて俺も妹のように接していた。
でも近頃この体格でお兄ちゃんはまずい。(俺の理性的な意味で)
いくら俺が心が強く勉強ができるからと言って本能にはかなわない。
俺だってお年頃ですし?青春だってしたいんですよ。
しかしこれは明らかに反則である。殺す気か。
そのため今はけい君と呼ばれている。いや、呼ばせている。
「なんで先行っちゃうの~!一緒に行こうって昨日言ったのに~」
もう高校生なのに体格といい発言といい子供みたいなやつだ。
「そりゃどうもすいませんでしたな」
そう言って頭をなでると目を細くして「えへへ~、ふふふ♡」と気色の悪い声を上げている。
・・・子犬みたいだな、かわいい。じゃなかった危うく小悪魔に心を奪われるところだった。あぶないあぶない。
なんていうふうに子犬とたわむれてたら、後ろから「またやってんのか」と男の声がした。
こいつは照峰涛哉俺の小中学の同級生で頭が最高にキレる。俺の数少ない友人の一人でもある。実力でここの学校に受かるくらいだ。
偏差値は間違いなく90越えだろう。本当は株をやるとか行っていたのにお前が国内の高校に行くならと一緒に入ってくれた紳士だ。
すごく頭がいいがそれでも合格ぎりぎりまで受かってるか心配だと嘆いていたが見事次席で合格した。
この高校にあやかがいるのは高校に行ける学力が皆無だったため、頼んで入れてもらった。
推薦枠のようなものを使って形だけテストをして入れてしまったのだ。内容は全て足し算・・・
あやかの点数が79点だったなんてとてもじゃないが誰にも言えない。
墓までもっていかねば・・・
そんなこんなで校門前で騒いでいると
「久しいな、琥懇君」と声をかけられた。
声の主は、嗇織拓哉学園長。
「お久しぶりです、拓哉さん」
この話を持ち掛けてきた張本人にしてスーパーエリート。俺のあこがれでもあるカリスマだ。
病気のことやあやかの入学の時にお世話になった。私をはめた張本人でもある。
そしてそのとなりにいるのは娘の嗇織冬香である。彼女も今年からこの学園の生徒である。
入院中よくお見舞いに来てくれたので仲良くなった(とおもっている)。
「ふゆも久しぶり」
ふゆとは冬香のことである。冬香だからふゆって呼んでいる。
「けいは相変わらず冴えない顔してるね」
口が悪いのはオプションだ。
「はっはっは、相変わらず仲がいいねぇ」
と学園長が微笑んでくる。
「けい、入学式遅れるぞー。俺は先行くからなー」
「待ってくれよ、涛哉。それでは学園長また近いうちに。ふゆもまたなー」
「迷うんじゃないぞ~気ぃつけてな」
「あなたの顔なんて二度と見たくもないわ」
「ふゆひどくない?」
「そんなことないわよ」
「へいへい」
「こらー、けいくんおいてっちゃうぞー」
「あーもうあやも涛哉も待てよー」
そんなこんなで幕を開けた高校生活、最初の日の朝。
この先どんな未知があるのかと思うと、興奮を抑えきれていない自分がいた。
どうも!杜幼彩斗です
ラブコメ書くのって楽しいですよね!
この作品は小4の時に書いた私の処女作をリメイクしたものなんです。
設定とかめちゃくちゃすぎて手におえない状態だったので
原型残しつつ書くのに苦労しました。
そんな作品なので至らない点もあるとは思いますがたのしんでいただけたらなによりです!
このペースだと5話目までは小4のころのリメイク
六話目から新たに書き下ろす形になりぐだぐだになるかもしれませんが
ネタも入れつつ楽しい作品にしていけたらなと思いますのでよろしくお願いします