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死神の秘書シリーズ

転生

作者: 尚文産商堂
掲載日:2014/04/30

ふと目が覚めると、俺は知らないところの床に転がっていた。

冷たくも、暖かくもないその空間は、がらんとしている神社の拝殿の中と言った感じだ。

「起きたかい」

男性の優しい声が聞こえる。

声に導かれるように、俺は立ち上がる。

ゆっくりと周りを見回しながら立つと、真正面に誰かいた。

「やあ、来てくれたんだね」

誰か分からないが、どうやら向こうは俺を知っているようだ。

「何のご用でしょうか…それに、ここはどこでしょうか」

「ここは、君が知っている知識の範囲で話すと、閻魔庁というべきだろうね」

「閻魔庁ということは、あなたは閻魔大王?」

「ハッハッハッ、いや、全然違うんだけどね」

違うのかと、なぜかがっかりする。

「とはいっても、君の死後についてを考えることには変わりない。さて」

彼はさらに続けて俺に話しかける。

「君は、生前司書だったようだね」

「ええ、はい」

死んだという実感も特にないまま、俺は彼の話を聞く。

中学生のころから図書館に入り浸っていた俺は、高校の進学について、司書職を目指すということを決意した。

それ以来、大学で司書資格をとり、司書一本で生きてきた。

「ちょうどいい。実は図書館の整理をしてもらいたいのだよ」

そして初めて、彼は名乗った。

「私はサイン神。きっと、きみは聞いたことないだろう。いわゆる死神だ」

死神と言われても、そんな雰囲気ではない。

サラリーマンな感じのスーツを着て、ジッとこちらを見ている。

別に大きな鎌があるというわけではないようだ。

「死んでしまったんですよね」

「そうだ、君は残念ながら死んでしまった」

「……なら、図書のお手伝い、させていただきましょう」

「ありがたい。では、こちらに来てくれ」

サイン神は、そう言って俺を別の場所へと、彼の図書館というところへと連れてきた。


「紹介しよう。赤羽鈴音(あかばねすずね)さんだ」

ちょうどそこに居た女性を紹介してくれる。

「サイン神さん、こちらの方は」

「ああ、今日から新しく入ってきた司書です。岩太京師(いわたけいし)と申します」

「初めまして、赤羽です」

彼女の手は、死後の世界には似つかわしくないほど、暖かった。

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