恋、か…。
初めて投稿します!
これが、恋か…。
そう、恋愛を意識しだしたのは、小学校3年生の頃だった。
クラスで人気だった男の子をいつも目を追ってしまう。意識してしまう。
どうしてだろう、とか思ったことなんてなかったのに、その言葉は頭の中に突然ポッと現れた。
-恋。
大人になった気分だった。同時に、誰かに想いを寄せている自分がとてつもなく恥ずかしかった。
絶対、誰にも言わない。自分だけの、特別な想い。
特別な、特別な、男の子-
キーンコーンカーンコーン
「はーい、お前ら席つけー」
「先生ー、トイレー!」
「ふざけんな花岡!朝会が先だ!」
「えええぇーっ!そんなことしたら俺、もれちゃうっすよー!」
「もらせ」
「鬼だっ!」
くすっ
窓側の席に座って左手で頬杖をついていた神流は、担任の篠原先生と花岡くんの会話を聞いて微笑んだ。あの2人は友達のように仲がいい。
神流は微笑んでから少し寂しそうな表情をして、ため息をついた。
「はーなおかくんっ」
「うわぁっっっ!?」
ガツンっ
「いっっったぁぁあ…」
「あっははははは、ごめんごめん!」
後ろの席に座っていて、今私に花岡くんの名を耳打ちしたのは、親友のまゆか。サラサラの茶髪をポニーテールにした清楚系美女。頼れるお姉さん的存在です。
神流は、脛をぶつけたせいで涙目になりながらまゆかを睨んだ。
「ちょっと、いきなりなにさ!」
「えええーっ、だってさ、神流ったら花岡くんばっか見てるんだもん。…恋?」
まゆかにそう言われた瞬間、顔が熱くなるのを感じた。
「ば、ばかっ!そういうのじゃないってば!花岡くんは面白いしっ…お、面白いから…っ!」
「面白いからー?」
や、やばい。まゆかの目、完全にお見通しですって言っとる…。
「な、なんでもないです…」
「ええー、もー、神流っていっつもそうやって話ずらすんだから~」
そう、そうなんです。お気づきの通り、私は花岡くんに恋してる。しかも、小3のときから…。
でも、私は誰にもこのことを言ったことなどなかった。そして、一生、自分の中にとっておくつもりだった。
「そ、そーいうまゆかはどーなのっ?彼氏とっ」
「うっふふー。おかげさまで、ラブラブです♡」
「くっ…リア充め…」
「神流も早く彼氏作んなよー!高校生活、充実するよ」
「残念ながら好きな人がいないので」
「神流に好きな人いなくても、神流を好きな子ならいるじゃん」
「いやいやいや、いないよそんな人!いたら、めっちゃ趣味悪いじゃーん!」
まゆかは恋に飢えてる、今時のJKって感じ。
モテるからってのもあるけど、彼氏もとっかえひっかえで、そんなんで幸せなんか?って思っちゃうときがある。
私とまゆかは、恋愛観について、正反対なのだ。
「悪くないよ~神流可愛いし」
「はぁ!?まゆか、あんた耳鼻科行ってきたら?」
「…なんで耳鼻科…?」
「あっ、みす。眼科の間違いです~!」
「ぎゃははははっ、あんたさいこーっ!」
でもね、なんだかんだ言って、まゆかは羨ましい。
優しいし、最高の親友。
ずっとずっと一緒にいたいって思える、そんな友達なんだ。