1話 過去
またまたダラダラ。飛ばして読んでくださいw
私が前世の記憶を思い出したのは、中学の卒業式があった夜だ。
ヤンキーとして過ごした一生だった。
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生まれたのはそこそこ裕福な家だった。
『あなたは長女なんだから、しっかりしなさい。いつかママみたいな人にならなくちゃダメよ。』
それが母の決まり文句だった。
最初はしっかりしていた。成績は常に上位。運動も出来たし、習い事もサボらずにやった。
毎日夜遅くまで勉強させられ、高校1年生のある日、過労で倒れた日に、
(なんでこんなに頑張んなきゃいけないんだろう。)
そう思った。
そこからグレ始めた。親にばれると、いなかった(・・・・・)人にされてしまう可能性があったので、塾にいくふりをして喧嘩をした。
幸い、格闘技もいくつも習っていたので、喧嘩に負けることはなかった。
もちろんばれたら困るので、髪は上に結わいて、服はジャージに着替えた。そのお陰でついたあだ名が「最強干物女」である。ひどい。
普段はお下げ頭で、学校ではそこそこに頑張った。勉強は嫌いではなかった。やり過ぎるのが嫌だっただけだ。
なのでバカだった訳でもない。インテリヤンキーである。
やがて街でトップに並ぶ巨大勢力『ブルークロス』のリーダーになった。
もうひとつ大きな勢力をもった、『イエローモンキー』のトップの男とは、よく衝突した。自分と彼はほぼ同じくらいの強さで、よきライバルだった。
高校3年の頃重い病気を発症した。病名は忘れてしまったが、5ヶ月ほど入院していたと思う。
『イエローモンキー』のトップは入院している間なんと見舞いにきた。
グループのあり方についてや、リーダーとしてどうするべきか、相談された。
病気で寝ている私と現役の彼はライバルではなかった。
1ヶ月後にはリーダーがいなくなり統制がとれなくなった私のグループと合併したので、その相談もした。
やがて余命3ヶ月を告げられ、5ヶ月暴れられなかった鬱憤を晴らすように喧嘩し続けた。
やがて1ヶ月ほどたった後、暴れすぎたせいでそろそろ死にそうだなと思った私は、『イエローモンキー』のトップに決闘を申し込んだ。
勝ったら開いての言うことを何でも聞く。
それが条件だった。
決闘が始まり、私は彼の一蹴りを食らった瞬間に血ヘドを吐いてたおれこんだ。彼は5ヶ月間で強くなっている上に、私は病気で限界だったのだ。
「おい、どうしたんだよ!まだ始まったばっかじゃねぇか!5ヶ月もいなかったから腕がなまったのか!?…おい、なあ…。」
もう死ぬな…。
そう思った私はただ、決闘がまともにできなかった申し訳なさから、謝った。
「……ご…め……ん…。」
「そう思うなら、決着を着けさせろ。……約束しろ。来世で、必ず決着をつけるんだ。」
「………わかっ…た…ゴフッ……また…来世……な…」
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それが最後の言葉だったと思う。
あいつはきっといま、あの約束なんて忘れて、幸せに暮らしているのだろう。そうなってほしい。私にとって彼は、よきライバルであり、そして親友でもあったのだ。
現世でも喧嘩がしたいかというと、そうではない。喧嘩は家庭からの重圧に耐えられなくてしていたのであって、現世はそんな重圧などないからだ。
現世の環境にあらためて感謝した。
主人公はなんだかんだで喧嘩好きです。やらないとかいってるけどやっちゃいます。というかやらせます。
とりあえずは主人公の名前を登場させねば…