5 雛利のパンドラ
前回のあらすじ 雛利に遊ばれて遅刻寸前の祠くん。はい。
前も言ったが、朝礼時間は8:30である。
俺は電車に乗ったあと、バスに乗るだけなのだが、俺の家の最寄り駅は普通しか
停まらないため、電車に異様に時間を食う。だから通学時間2時間半なのだ。
「ど、どうすんだよ!!あと駅半分はあるぞ?ここであのパンドラ使ったら無銭乗車扱
いだしお前もやばいだろ?」
俺があたふたしていると、雛利は笑顔で言った。
「別に。とりあえず降りるぞ、祠」
そしてそのあと閉まりかけのドアにダイブする。
「ちょおおおおおおおおお!?雛利いいいいいいいい!?」
雛利はドアに挟まれるかと思われたが、そうではなかった。
閉まりかけていたドアが自分から開き始めた。
「はぁ!?」
雛利は開いたドアをそのまま突っ走っていった。
分かった人がほとんどだと思うが、これも雛利のもつパンドラの一つ。
雛利は感情を持たない「物」を3,4個ぐらい同時に動かせる。そのパンドラを使
いドアをあけたのだろう。
「おい!祠!早くしろ!」
雛利にドアの向こうから叫ばれ、祠は慌ててドアから出る。
たぶん次回から学校に着きますよ、ええ。