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2 遅刻
前回のあらすじ 主人公、祠は勢いで目覚まし時計を壊しました。はい。
壊れた目覚まし時計に目をやると、6:33という壊れた文字盤が目に入る。
「や……」
祠の顔が青ざめる。
「やべぇよ!!遅刻じゃねえか!!」
祠が叫ぶと同時に部屋を飛び出す。
祠の通う学校は私立で、しかも県外にある。
通学時間にかかるのは2時間半。1分の寝坊が命取りなのである。
では、なぜ寮生活を送らないのか。
別に寮がないとかではない。
ただ、言われたのだ。祠の母親、由梨に。
「畜生……何で由梨の奴'祠は寮生活には向いてないから家から通ってね'と
か言うんだよ!!向いてるとかの問題じゃねえよこれ!!2時間半通学とか日本
中探してもそんなに多くねえよ!!」
祠は声を荒げながら身支度を整える。
何かと面白い光景である。
「行って来ます!!」
祠はあわただしく玄関のドアを開いた。