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ラケルの虚  作者: 風間 秋
第1章:異郷
17/44

仲間

ベルナルド(17歳)再び。

 アズルトらが白鬼ことエフェナ・ナーシャ・レキュネラスの宣戦布告を受けた翌日。魔術遊戯報告会はつつがなく開催され、遊戯の基本形が定まった。

 それからまた日は流れ、次の休日が訪れる。


 その日、学舎北に位置する4組(ルース)の寮は、朝から騒然とした空気に包まれていた。

 事の始まりは上階にある女子部屋のひとつだった。

 部屋の住人はクレアトゥール・サスケントとチャク・アペルタリのふたり。


「おまえ暇だろ、ちょっと付き合え」


 ここ3月ほど沈黙が居座っていた空間に、クレアトゥールのぞんざいな声が響く。

 それから二言三言やり取りが行われ、開け放たれた扉から住人ふたりが揃って姿を現した。

 常は固く結われている紫銀の髪は、今は力なく背中に広がり、眼鏡の奥の瞳にはかつてないほどに陰鬱な闇が塗り込まれている。


 生ける屍と化したチャクを引き連れ、クレアトゥールが向かった先はココト・ベイ・クレファムダの住まう部屋だった。

 同居人はユリス・ベイ・コルレラータ。共に貴族の子女である。


 ノックも礼儀もなく扉を開け侵入したクレアトゥールは、ココトの姿を認めるや「話がある、付き合え」と要求を突き付ける。

 同じく部屋にいたユリスが身を挺して守ろうと動いたが、これはクレアトゥールの不機嫌を誘うだけだった。

 廊下ではしゃがみ込んだチャクが頭を抱え、ワタシは関係ないと繰り返す有様。

 これに危機感を覚えたココトが出向くことを決意するのだが、それをユリスに告げる様は、まるで今生の別れを思わせる悲壮なものであった。


 そうしてチャクとココトを連れ、クレアトゥールは平然と上階から立ち去る。

 後にはココトを守れなかったとユリスの泣き声が響き、マダルハンゼ伯が狼狽に顔を青くし、やがて混乱は男子部屋のフェルトにまで伝播することとなる。



 ◇◇◇



 死んだ目をしたチャクと、頬を涙に濡らすココトを拉致し、狂犬がアズルトの部屋にやってきた。

 開いた扉に事態を察知したベルナルドは、思わず額に手を当て天を仰ぐ。

 呻きを漏らしたガガジナはいいとして、外聞が悪いからと早く入れるように指示を出すアズルトの人間性は腐っている。


「おいアズルト。貴様、どこをどうやってこの狂犬に任せて問題ないと判断した」


 廊下から男子たちの騒ぐ声が聞こえるが、果たしてこれは無視をして良いものなのだろうか。

 この場においては常識は捨て流されるべきものと分かってはいるが、常識人を自認するベルナルドは苦しい決断を迫られていた。


 そうこうしている内に狂犬がふたりを部屋に押し込み、仕事は果たしたと定位置に戻っていく。

 瞬時に展開されるおなじみの結界。いや、外部の音の低減が追加されているな。


 それよりも、である。今は連れて来られたふたりへのフォローが必要だ。

 そしてそれをできるのは、今この場にあってベルナルドを置いて他にない。


「まず休日の朝に、事前の連絡もなくお呼び立てした非礼をお詫びいたします。まして招待状を持って訪ねたのが狂犬とあっては、さぞ驚かれたことでしょう。ささやかながら心の安寧にと申し上げますれば、この部屋で駄犬が暴れることはまずありませんのでご安心を」


 言って出来るだけ穏やかな笑みを作る。

 すかさず冷や水を浴びせてくるのは騒動の元凶だ。


「駄犬ってあたしのことか?」

「言われたくなければ髪くらい自分で梳かせ」

「面倒」

「おまえな」


「ご覧の通り」


 髪を梳かれるに任せている狂犬はいつ振り切れるともしれない不機嫌面で、ベルナルドは己の笑みが引き攣るのが分かった。

 アズルトは躾のつもりなのかもしれないが、時と場合を考えろと言いたい。

 彼女らに背を向ける形になっているのが幸いだった。


「ココト嬢にしてみれば実に今更な話かもしれませんが、中間試験4位、おめでとうございます。聞けば4組始まって以来の快挙とか」

「あ、ありがとうございます」

「人が多く手狭で申し訳ありませんが、立ち話では落ち着かないでしょう、適当な場所にお座りください」


 ベルナルドが促すと、ココトが自失寸前のチャクを支えながら、ガガジナが座るベッドの隅に腰を下ろした。

 それから一息ついたところを見計らい、アズルトが声を発した。


「ココト・ベイ」

「は、はいっ」

「ベイと俺は貴族の端くれだが、この場でする話は身分とは無縁のものになる。そして主催のベルナルドを含め平民が多数を占める。身分による不敬を不問とすることを提案するが、どうだろう」


 ココトは、アズルトが狂犬以外の他者と会話する場面に立ち合ったことがないのだろう。

 至極理性的な台詞が飛び出したことに戸惑いを見せていた。

 だがひとしきり狼狽したことで逆に落ち着いたらしい。ココトは間もなくアズルトの提案を承諾した。


 そこから先の説明はベルナルドが中心となって進めた。

 まずこの場でのことは口外無用であること。

 同居人にも開示してはならないこと。

 そして自分たちが実戦魔術の秘密研究会を立ち上げること。

 そして便宜上、それを魔術遊戯会と呼称し、表向きの活動とすること。

 最後にふたりがこの会に参加するに相応しいと判断されたこと。


 けれど彼女たちの反応は芳しいものではなかった。

 自分には才能がない、自分は集団行動が取れない、そんな言葉で迂遠に興味がないことを伝えてくる。

 直接的な否定の言葉を避けるのは、同席する問題児らの目があるからだ。


「明確な答えを出す前に、両人には見てもらいたいものがある。アズルト、術構成が見やすい形で実演を頼む」


 予め決めていた指示を出せば、ベッドの間に置かれた卓上に手早く盤と駒が並べられる。


「三式の8番でいくぞ」

「リド見え張り過ぎ」

「ここで張らなくてどうするんだよ」


 最初ゆっくりと読み取りやすい形で術式が編まれ、魔術による演武が始まる。

 アズルトらの間であらかじめ手順が決められてあったのだろう、実に見栄えのする、そして試作遊戯の特徴を表す魔術合戦が繰り広げられる。


「なに、これ……」


 チャクの興味は引けたらしい。

 身をのり出し、食い入るように盤面を凝視している。


 術の打ち合いは次第に速さを増していき、実際の戦闘さながらの展開速度へと至った。

 そしてやがて唐突に両者の術の構成が曖昧になる。

 ベルナルドの指示に則った茶番が終わったのだ。


「我が研究会の最初の課題として、これを遊戯という形に落とし込む」


 ベルナルドの宣言に、アズルトたちの実演を前に唸っていたチャクが、面に不信を滲ませる。

 目的を探しぶつぶつと呟くチャクに頬が緩む。


 チャクのその混乱は、かつて自分が通った道だ。

 答えに辿り着いたとして、それは容易に認めることができない、思考の根を異にする奇想である。


「遊戯……それは魔術遊戯としての許可を得るため、ですか?」

「ほう、ココト嬢は察したか」

「なに言ってるの、あんたら。これのどの辺りが遊戯なわけ」

「ドラマルスさんが言っていました。ここは実戦魔術の秘密研究会だと」

「そんなことも言ってたかしら……っ! まさか、あんたたちの最初の目標って」


 絶句するチャク。

 まあ当然だろう。規則を捻じ曲げ自分たちの都合の良いように利用する。騎士を志す者としてあるまじき蛮行だ。

 しかもそれはまだ始まりですらないときた。


「魔術遊戯を隠れ蓑にした学内での魔術の常用。これは我が研究会が活動する上での大前提だ」

「横からひとつ。勘違いされると困るからな。俺たちがこんな面倒な手順を踏むのは、ひとえに規則の範囲内で動くためだぞ」

「規則違反の常習者は言うことが違うな」

「俺は連帯責任とかいう理不尽に巻き込まれてるだけなんだよなあ」


 廊下の騒ぎの元凶は狂犬に仕事を任せた貴様だと、怒鳴り散らしたい衝動をベルナルドは堪える。

 常識は捨てろ、頭を空にするんだ、そして流されてしまえ。

 頭の中で呪詛のように繰り返す。


「私は、やっぱり私には向いていません」


 関心を示したチャクとは対照的に、ココトはその小さな体を更に縮め否定の言葉を絞り出す。

 無理強いは出来ないと、常であれば言うところだろう。

 だが生憎とベルナルドは会の進行役であって、意思決定権はアズルトにある。

 そのアズルトが、この小さな少女のささやかな抵抗を意に介するとは思えない。

 果たしてその口から如何なる言葉が飛び出すのか。


「汝はこの誘いを断るべきではない」


 半ば戦々恐々とした思いに駆られていたベルナルドは、思いもかけぬ人物の説得に、首が音を立てそうな勢いで無口な巨漢を見やった。


「今のままでは汝は騎士として大成しない」

「騎士としての栄誉なんて、私は欲しくありません」

「言葉は選ぶべきである。それは汝の友らへの侮辱だ」


 このひと月弱、共に過ごして分かったことだが、ガガジナは愚直で誇り高い男だ。

 他者にまでそういったものを求める素振りは見られないが、誇りある者に対しては――それが多少歪んだものであったとしても――相応の礼儀を持って応じるべきという信念がある。

 歪んだ貴族精神に凝り固まったオルウェンキスに正面から向き合うのは、今やこの男くらいなものだ。


 そんなガガジナは、フェルトやディスケンス、ユリスらに対しても、ある種の敬意を払っているようであった。

 だが、それはガガジナの理屈である。


「知った風なことを言わないでください! 私はただ、ユリスやフェルトと一緒にいたいだけなんです」

「その先になにがある」


 アズルトの酷く冷めた声が響いた。


「なにって、皆で騎士になって――」

「貧相な想像力だ、それがどれだけ愚かしいか考えもつかないのか。バッテシュメヘ教官の苦労が偲ばれるな。出過ぎた真似かもしれないが、同輩として忠告しておく。ココト・ベイ。おまえは騎士にはなれない。いや、騎士号は得られるかもしれない。けれど肩書きだけだ。中身は騎士ではない。彼らを真に大切と思うなら、彼らと共にあるのは諦めろ。でなければ遠くない将来、彼らは命を落とす。彼らは、共に苦難を乗り越えたおまえを騎士と思うだろう。騎士ではないおまえを騎士と思い込み、同じものを見ていると考え背を預ける。そして、おまえの甘さが彼らを殺す」

「強い者が騎士を名乗れるという話ですか、でしたら。私は強くなってみせます」


 ココトの宣言にアズルトが白けた顔をしている。


「なあ、これ使えるようになるか。物分かり悪すぎだろ」

「あー、無理だな。死ぬのがあっちからこっちになっただけだ」

「な、なんなんですかあなたたちは!」


 ココトが卓を突き立ち上がる。


「人を呼び出しておいて、こんな、大人数で私を笑い者にしてなにが楽しいんですか!」


 そこにあるのは、常の控え目で大人しい彼女からは想像できない、激情に押し立てられた気丈な少女の姿だった。

 しかし、相手が悪すぎる。


「喚くな雑魚。座れよ」

「ひッ」


 狂犬の敵意に当てられた激情は、瞬く間に委縮し、その空いた空間を再び恐怖が満たした。


「想像力の欠如が深刻だな。行儀よく見えるのもそのためか」


 アズルトに狂犬を止める気配はまるでなく、ばかりか、早くも損切りの算段に入り始めていた。

 慌てたのはベルナルドである。

 これでは双方にとって余りにも益がなさ過ぎる。


「待て待て一度口を閉じろ馬鹿者ども。貴様らはもう少し言葉を選べんのか。我々がココト嬢を潰してどうする」


 だが仕切り直しを計るベルナルドに新たな伏兵が襲い掛かる。

 この部屋にあっては、思い通りに事が進むことなどまずないのだと、諦観の境地に達しつつあるベルナルドであった。


「ワタシは受ける」


 ぼそっと呟いたのはチャクだ。


「ココト・ベイはいいわね。好きな人たちと仲良しこよし、騎士ごっこができて。ワタシには友情だの恋愛だのは理解できない。したいとも思わない。昔から他になにもなかったもの。ワタシにあったのはコレだけ」

 掌の上で魔術式を転がし、チャクは陰鬱に吐き捨てる。


「だから――」

 術式を握り潰し、沼のような瞳でベルナルドを、そしてアズルトを睨むと。


「あんたらの企みに乗ってあげるわ」

 チャクは気味の悪い笑みを浮かべ言い放った。


 この時、ベルナルドはチャクという少女を見誤っていたことを悟る。

 彼女は入学してからのこの3月を、どこのグループにも属さず過ごしてきた。その孤立ぶりはガガジナにも勝る。

 ベルナルドはその理由が彼女の内向的な性格にあるものと考えていた。

 事実、彼女は表面上にはそのような言動を取っていたことも、そう考えるに至った大きな要因だ。


 けれど違った。

 彼女は他者との間に得られる生産性よりも、己の探求により得られる生産性に価値を見出していただけ。

 それも今を以て終わった。

 いや、アズルトらの演武を目の当たりにした瞬間からか。


 その切り替えの早さは、彼女が自分よりよほどアズルトらに近しい存在であることを、否が応にもベルナルドに知らしめるのであった。


「同志が増えたな。それで、汝はどうする」

「私は……」


 逡巡するココトに、ベルナルドは手を差し伸べることを決めた。

 あるいはそれは、彼女が本来歩むべき道を大きく踏み外させる、悪魔の誘いに等しいのかもしれない。

 傲慢な考えなのだろう。独善と言われても否定はできない。


 だが、今更な話である。ベルナルドはそれを己の道として、これまでも歩み続けてきた。そしてこれからも、利のためとあらば他者を貶め生きていく。

 その中にひとつ、この小さく哀れな少女の未来を弄んだ事実が加わるだけ。


「ココト嬢。貴女に騎士の志がないことは理解した。その上で問わせてもらう。騎士となる覚悟があるのか?」

「学園に入る時に心は決めました」

「それは彼らと同じ道を歩むためか?」

「……たぶんチャクさんにとっての魔法が、私にとっては皆なんです」

「力を望むか?」

「はい。私は、負けるわけにはいかないんです」


 瞳が寸時、険しくアズルトらを映す。

 両の手は震えるほどに強く握り締められていた。


「であれば、この会は貴女の良き助けとなるはずだ。こやつらは頭はおかしいし口は悪いが、魔道の徒としては我が組で比類ない者ばかり。そしてなにより、ココト嬢は我らが見込んだ、この会に列する資格を持つ者だ」

「資格、ですか?」


 予期せぬ言葉だったのだろう。ココトは小首を傾げている。

 気負いが抜けて、拳も緩んでいる。

 そのことに僅かな安堵を抱きつつ、ベルナルドは言葉を選ぶ。


「位格に、赤位に至る――」

「黒位だからな」


 気遣いはその出端で踏み躙られる。


「貴様は黙っていろ。いきなり黒位と言われて誰が信用できるものか。在学騎士で黒位などシュケーベ・ディアしかいないのだぞ」

「良かったなベルナルド。俺たちの代からは7人出るぞ」

「また馬鹿なことを……ん? 貴様から見てメナ嬢は不適格なのか?」


 そして悲しいかな。常識人を自認するベルナルドもまた、騎士の志に毒されている人間のひとりに過ぎないのであった。


「在学期間次第。その上で間に合うかどうか。まあ時間の問題ではある」

「黒位には届くと。しかし間に合うかで言えば、我々も同じなのではないか?」


 それはベルナルドにとって純粋な疑問だった。

 黒位に至る。それは志として否定してはならぬものだとベルナルドは考えている。

 だが在学中にその位格を得られるかというのは、また別の話だとも考える。

 自分たちに残されている時間は、騎士としての生涯に比べあまりにも短い。


「おまえさ、寝ている間に剣を振れるのか?」

「は?」


 あまりに間抜けな声が零れ、慌てて咳払いをし取り繕う。

 しかし続くやり取りに、ベルナルドにはその台詞の真意が見えてしまった。


「そうだリド。あたし、まだ許可もらえてない」

「寮会もおまえにだけは厳しいからな。方策を練る必要があるか」

「私は貴様らの考えを理解したくない」


 寝ている間に魔術を使えるのか。答えは否である。

 眠る直前に魔術で結界を張っておく、などといった運用は一般的にも為されている。

 だがこの馬鹿どもがやろうとしているのは、そういった通常の魔術運用では絶対にありえない。

 間近に迫りつつある試練の絶望感に頭を抱えていると、チャクの震える声が耳に届いた。


「黒位に……届くの、ワタシが」

「そのための魔術遊戯会だ」

「やり方は真っ当ではないがな」

「そこは諦めろ。真っ当な人間は黒位にはならない」


 否定の使用のない事実にベルナルドは言葉を噤むと、この話題を切り上げることにした。

 片づけるべき本題が残っているのだ。


「さて、少しばかり話が逸れてしまったが。どうする、ココト嬢。私としては、この気鬱を理解してくれる輩がせめてひとりだけでも居てくれると、心強くあるのだが」

「私は、皆と上手くやれる気がしません」


 アズルトを、狂犬を、そしてガガジナとチャクを見る。


「でも機会は逃したくない」


 最後にベルナルドに向けられた視線には、強い意志が込められていた。


「私も参加させ下さい」

「そうか。ようこそ魔術遊戯会へ」


 ベルナルドがココトに向けて太い手を差し出すと、少し驚いた顔をしてから、はにかみつつもその手を握った。


 これで本格的に遊戯会としての活動を始動できる。

 ベルナルドが遊戯の調整に参加できる時間は、これから先、いよいよ限られたものとなっていくだろう。

 なにせこの遊戯もどきを学園に承認させなければならない。

 根回しは必須と言える。

 そしてそれを行えるのは、実質的に自分だけであるとベルナルドは理解している。


 アズルトにも幾らか伝手があるようだが、それを当てにするべきではない。

 なにせ相手はバルデンリンドの子山羊。どんな厄介事を引き連れてくるか分かったものではない。


「ところで、あのふたりはいつもああなんですか?」


 近くの椅子に席を移したココトが、アズルトらを示し問うてきた。


「その通りだ。暇さえあれば部屋に引きこもって、ああして魔術を擦り合せている」

「術式に本来の魔力を通しているのに、魔力がもつものなんですか?」

「あいつらは術の発現に不要となる分の魔力を、次の術式に使いまわすことで魔力の消耗を抑える術を得ている。つまりほぼ見た目通りの魔力消費で、実戦以上に複雑な魔法合戦を繰り広げ続けられるというわけだ。あれでまだ下準備らしいがな」

「へ、へぇ……」

「まあ、よく見ておくと良い。あれが4組(ルース)の、いや予科1年の頂にいる者たちだ」

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