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風の又三郎(2)

 前回のつづき。

 実は書きためて……おっと誰もきていないようだ。


 復習している余裕がねええええ!!

 どんなこと考えたんだっけ?


 この作品(?)は前書きと後書きも立派なコンテンツなのです!

 気は抜かないのです!


 ストックが切れた!

 次の更新はまた書き写しが進んでから!


 あと、何時くらいに更新してほしいっすか?

 読書対象は『小学生』や『文系がちょー苦手な理数系』を想定しているんですが。

 朝に更新して、学校前とか学校中に読みたいですかね?

 あ、言い訳にも使えます。

 学校でなに見てるの!

「宮沢賢治の研究をしている文章を読んでいますが、先生もどうですか?」

 とか言ってみたら反応がおもしろそうです。

「早ぐ出はって来こ、出はって来」

(おらぁ、さっさと出てこいやぁ。出てこいっつってんだろうがぁ?)

 一郎が、あらためて、言った。

 しかしそのこどもは、きょろきょろ部屋の中やみんなのほうを見るばかりで、どうあろうときっちりひざに手をおいて腰掛けにすわっていた。

 もともと姿からして実におかしかった。変てこなねずみいろのたぶだぶとした上着を着て、白い半ずぼんをはいて、それに赤い革の半靴をはいていたのだ。

 さらに顔はといえばまるで熟したりんごのようで、ことに目はまん丸でまっくろであった。

いっこうに言葉が通じないので、一郎もほとほと困ってしまった。

「あいづは外国人だな」

(ありゃあ外国のやつだな)

 がやがや。

「学校さはいるのだな」

(学校に入るってことだよな)

 みんなしてさわがしく言った。ところが五年生の嘉助がいきなり、

「ああ三年生さはいるのだ」

(んんー三年生に入るんじゃねーのこいつ)

 と叫んだので、

「ああそうだ」

(へえ、そうなんだぁ)

 と小さいこどもらは思ったようだが、一郎はだまってくびをまげた。


 * * *

 視点 一郎

 人物 一郎 赤毛の子 耕助 嘉助 ほかのみんな

 創作 視点を一郎に限定し、後ろから嘉助や小さい子どもらがしゃべった形を想定。カメラは一郎の額の先に設置し、嘉助や小さい子どもらを見下ろしているものを想定。「あいづは外国人だな」のタイミングでカメラワークを発生。教室にいる赤毛の子から、外にいる嘉助たちへ。

 基本的に一郎視点を想定しているので、最終行の『小さいこどもらは思いましたが』を『小さいこどもらは思ったようだが』と想像する程度に留めさせた。

 * * *


 一郎からしても変なこどもは、やはりきょろきょろこっちを見るだけで、きちんと腰掛けている。


* * *

 視点 一郎(本来なら三人称か神視点かと思われる)

 人物 一郎 赤毛の子

 苦労 だれがいま『地の文で』そう思っているのか。とにかく考えさせられる。原文では、『変なこどもはやはりきょろきょろこっちを見るだけ、きちんと腰掛けています。』になっているが、これだと変なこどもと感じているのが「一郎」なのか、「みんなの総意」なのか不明かもしれない。「がやがや」している連中は、その場の空気にあわせているだけということもあるからだ。現代ならではかな?

 * * *


 そのとき風がどうっと吹いて来て教室のガラス戸はぜんぶがたがた鳴り、学校のうしろの山の茅や栗の木はぜんぶ変に青じろくなってゆれ、教室のなかのこどもはなんだかにやっとわらってすこしうごいたようだった。

 すると嘉助がすぐに叫んだ。

「ああわかった。あいつは風の又三郎だぞ」

(わかっちゃったぜ。あいつって風の又三郎だろ!)

 そうだっ、とみんなもおもったようで声をあげたとき、にわかにうしろのほうで五郎が、――叫んだ。

「わあ、痛いぢゃあ」

(うおっ、痛ってえっ)

 みんながそっちへ振り向くと、五郎が耕助に足のゆびをふまれたようでまことおこって耕助をなぐりつけていたのだ。すると耕助もおこって、

「わあ、われ悪くてでひと撲いだなあ」

(こんにゃろう、おめえが悪いってのにひとんこと殴りやがったなぁ!)

 と言っておなじく五郎をなぐろうとした。

 五郎はまこと顔じゅう涙だらけにして耕助に組み付こうとした。すぐに一郎が間にはいって、嘉助が耕助を押さえてくれた。

「わあい、けんかするなったら、先生あちゃんと職員室に来てらぞ」

(てめえらけんかするんじゃあねえ! 先生はしっかり職員室にいるんだぞ!)

 と一郎が言いながら、また教室のほうを見てみると、にわかにまことぽかんとしてしまった。

 たったいままで教室にいたあの変な子が影もかたちもなかったのだ。みんなもまことせっかく友だちになった子うまが遠くへたられたよう、せっかく捕った山雀やまがらに逃げられたように思ったにちがいない顔をしている。

 風がまたどうっと吹いて来て窓ガラスをがたがた言わせ、うしろの山の茅をだんだん上流のほうへ青じろく波だてて行く。

「わあ、うなだけんかしたんだがら又三郎いなぐなったな」

(あのねえ、きみたちがけんかをしたせいで又三郎さんがいなくなってしまったのですよ?)

 嘉助がおこって言った。

 みんなもほんとうにそう思ったようだった。五郎はじつに申しわけないと思って、足が痛いのも忘れてしょんぼり肩をすぼめて立ったのだった。

「やっぱりあいつは風の又三郎だったな」

「二百十日で来たのだな」

「靴はいでだたぞ」(靴をはいていたね)

「服も着でだたぞ」(服も着ていたね)

「髪赤くておかしやづだったな」(髪の毛が赤くておかしなやつだったな)

「ありゃありゃ、又三郎おれの机の上さ石かけ乗せでったぞ」

(ありゃりゃ? 又三郎、おれの机の上に石っころ乗せてったみたい)

 二年生の子が言った。見ると、その子の机の上にはきたない石かけが乗っていたのだった。

「そうだ、ありゃ。あそごのガラスもぶっかしたぞ」

(そうだ、あれ! あそこのガラスも割っていったぞ!)

「そだないであ。あいづあ休み前に嘉助石ぶっつけだのだな」

(それはないぞ。あそこは休み前に嘉助が石をぶちこんだとこだな)

「わあい。そだないであ」

(おいおい! そうじゃあないんだよ!)

 と言っていたとき、これはまたなんというわけだろうか。先生が玄関から出て来てしまったのだ。先生はぴかぴか光る呼び子を右手にもって、もう集まれのしたくをしていたのだったが、そのすぐうしろから、さっきの赤い髪の子が、まるで権現さまの尾っぱ持ちのようにすまし込んで、白いシャッポをかぶって、先生についてすぱすぱとあるいて来たのだ。

 みんなはしいんとなってしまいました。やっと一郎が「先生お早うございます」と言ったのでみんなもつづいたのだが、

「先生お早うございます」

 としか言えなかった。

「みなさん。お早う。どなたも元気ですね。では並んで」

 先生は、呼び子を呼び子をビルルと吹いた。音はすぐ谷の向こうの山へひびいてまたビルルルと低く戻ってきた。

 すっかりやすみの前のとおりだとみんなが思いながら六年生は一人、五年生は七人、四年生は六人、一年生と二年生は十二人、組ごとに一列に縦にならんだ。

 二年は八人、一年生は四人前へならえをしてならんだのだった。

 するとその間あのおかしな子は、何かおかしいのかおもしろいのか奥歯で横っちょに舌をかむようにして、じろじろみんなを見ながら先生のうしろに立っていたのだった。すると先生は、高田さんこっちへおはいりなさいと言いながら五年生の列のところへ連れて行って、身長を嘉助とくらべてから嘉助とそのうしろのきよの間へ立たせた。

 みんなはふりかえってじっと見ていた。

 先生はまた玄関の前に戻って、

「前へならえ」

 と号令をかけた。

『まるで』がやたらと使われてるんですけど、これ『すごく』とか『とても』って意味でもいいんですかね?

 あ、でも調べてみたら、ちょっと違うかも。

 2のほうか。


 https://dictionary.goo.ne.jp/jn/210069/meaning/m0u/


[副]

1 違いがわからないほどあるものやある状態に類似しているさま。あたかも。さながら。「この惨状は丸で地獄だ」「丸で夢のよう」


2 (下に否定的な意味の語を伴って)まさしくその状態であるさま。すっかり。まったく。「丸でだめだ」「兄弟だが丸で違う」


 原文が三文字だからなあ。

 三文字で置き換えたい。うーん……『まさに』とか?

 まあひょっとしたら書き直すか、違うバージョンを載せるかも。



『半靴』が謎すぎる。

 えっとこれ1900年代のはじめくらいですよね?

 Google先生の画像検索でもスニーカーからごっつい靴まででてきて、どう区別されていたのかわかりませんでした。

 くるぶしまで丈がないのが半靴かな、と思ったら『黒執事』で『シエル』が履いているような靴もでてきたりで、ほんっとわからん。



『権現さまの尾っぱ持ち』

 いつ頃まで日本人は仏教に依存していたんでしょうね。

 というかいつから仏教に依存しはじめたのか……もっと神道を大事にしようぜ!

 仏さまも嫌いじゃないよ、でも最初っからうちにいた神さまじゃないでしょ?

 お客神なの! 接待するの!


 キーサード:神仏分離 / 神仏習合



『シャッポ』

 ひと目で「帽子でしょ?」ってわかっちゃうのは、相当な読書家でしょ。

 日本人的には音のイントネーションから言葉が造られたとまず想像しちゃうから(たぶん)、「シャッポってのはむかしのシャツの言い方かな?」ってなるんじゃない?

 なあ、おれだけ?

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