風の又三郎(1)
さあいよいよ『風の又三郎』(宮沢賢治)の勉強をはじめるよ!
ぶっちゃけ、『一太郎2017』で書いたやつをコピペっただけだから。
読みにくくてもそんなことしらない。
どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいかりんも吹きとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう
谷川の岸に小さな学校があった。
教室はたったのひとつだったが、生徒は三年生がいないだけで一年生から六年生まですべていた。運動場もテニスコートくらいしかなかったが、すぐうしろは栗の木があるきれいな草の山になっていたし、運動場のすみではごぼごぼとつめたい水を噴く岩穴もあったのだ。
さわやかな九月一日の朝だった。青ぞらで風がどうと鳴り、日光は運動場いっぱいだった。黒い雪袴をはいた二人の一年生の子がどてをまわって運動場にはいって来て、まだほかにだれも来ていないのを見て、「ほう、おら一等だぞ。一等だぞ」とかわるがわる叫びながら大よろこびで門をはいって来たのだが、ちょっと教室の中を見てみると、二人ともとてもびっくりして棒立ちになって、それから顔を見合わせてぶるぶるふるえたところで、ひとりはついに泣き出してしまった。泣き出すのも当然で、しんとした朝の教室のなかにどこから来たのか、まったく顔も知らないおかしな赤い髪の子供がひとり、いちばん前の机にちゃんと座っていたのだ。机は泣いた子の、自分の机であったのだ。
もうひとりの子だって半分ほど泣きかけていたのだが、それでもむりやり目をりんと張って、机のほうをにらめていた、ちょうどそときに、川上からだった。
* * *
視点 泣いた子、あるいは半泣きの子、あるいは三人称。
人物 赤毛の子 泣いた子 半泣きの子。
場所 校庭? ひとつしかない教室の内部をはっきりと視認できる。
* * *
「ちょうはあ かぐり ちょうはあ かぐり」
高く叫ぶ声がして、それからまるで大きなからすのように、嘉助がかばんをかかえてわらって運動場をかけて来たのだ。と思ったら、すぐあとから佐太郎だの耕助だのがどやどややってきた。
「なして泣いでら、うなかもたのが」
(なんで泣いてんだ? おまえがちょっかいだしたのか?)
嘉助が、泣くのをがまんしていたこどもの肩をつかまえて言った。するとその子もわあっと泣いてしまった。おかしいとおもってみんながあたりを見ると、教室の中に赤毛のおかしな子がすまして、しゃんとすわっているのが目についた。
* * *
視点 嘉助、あるいは三人称。
人物 赤毛の子 泣いた子 半泣きだった子 嘉助、佐太郎、耕助、ほか。
場所 校庭? ひとつしかない教室の内部をはっきりと視認できる。
変更 『あの赤毛のおかしな子』→『赤毛のおかしな子』嘉助視点、あるいは三人称だったとしても「さっきまでいなかった人物がまるで知っていたかのようになるのはおかしい」ので『あの』を取っ払った。
* * *
みんなはしんとなってしまった。だんだん女の子たちもみんな集まってきたのだが、だれもなんとも言えなかった。
赤毛の子どもは、いっこうにこわがるふうもなくそのままちゃんとすわって、じっと黒板を見ている。そこに六年生の一郎がやって来た。一郎は、まるでおとなのようにゆっくり大またでやってきて、みんなを見た。
「なにした」
(どうした?)
一郎はみんなに聞いた。
みんなははじめてがやがや声をたてて教室の中の変な子を指さした。一郎はじっと見ていたのだが、しばらくすると鞄をどっかりかかえて、ずけずけと窓の下へ行ってしまった。
一郎の様子を見たみんなは、すっかり元気になってついて行った。
* * *
視点 みんな(嘉助)、あるいは三人称。みんな→教室→一郎→教室(と一郎の後ろ姿?)
人物 赤毛の子 泣いた子 半泣きだった子 嘉助、佐太郎、耕助、ほか 一郎
場所 校庭? ひとつしかない教室の内部をはっきりと視認できる。
感想 一郎ってのは昔の長兄みたいな、あるいは親分っぽい。びびってたほかの連中が一郎の平然とした様子を見ただけで正気に戻ってるとかどんだけだよ!
* * *
「だれだ、時間にならないに教室へはいってるのは」
{時間でもねえのに教室にいるてめえはなにもんだ?}
一郎は、窓をはいのぼって教室の中に顔を突き出して、言った。
「お天気のいい時教室さはいってるづど先生にうんとしからえるぞ」
{天気もいいというのに教室にいますと先生にすごくしかられますよ?}
一郎につづいて、窓の下から耕助も言った。
「しからえでもおら知らないよ」
(しかられても俺はしーらねーっと)
嘉助も言葉を追いかけるように言った。
* * *
視点 一郎→耕助(一郎を見上げている?)→嘉助(耕助の近く。後ろか横)
人物 一郎 赤毛の子(一郎確認中) 耕助 嘉助 ほかのみんな
創作 一郎の親分気質のあとに耕助の台詞を読んだら「こいつ優等生やろ」と思ってしまいまして。だって『かばうみたいに』「しかられちゃうから出てきたほうがいいよ?」とかって聞こえますやん! そして、その耕助の台詞に「そのまんま乗っかかる」嘉助ときたら、どう考えてもお調子者です。
* * *
舞台は普通っぽいねえ。
普通の学校? で、謎の人物がいてびびってると。
びびりすぎちゃう? そんなにおっかなく見えるの?
って、今回の内容では触れられなかったんですが『時代性』ってやつですね。
うーん……みんなだったら、ある日、突然、しらないやつが自分の席に座ってたら、どんなやつだったらびびる?
俺ならそうだね。
青を基調とした闘衣と白銀の甲冑を身につけて、金髪を頭の後ろでまとめ上げた人が「問おう、あなたが私のマスターか?」とか言ってきたらびびる。
あとは方向性をちょっと変えて、ちょーかわいいちびっこの女の子が「やくそくどおり弟子にしてもらいにきました、師匠!」とか言ってきてもびびる。おい、小学生、だよな? ここ高校だぞ高校! 教師に風紀委員なにやってんだ!
ああ、いかん。
いつもの癖が……。
あとさ、嘉助と耕助と一郎を勝手にキャラづけしちゃったんすけど、いいっすか宮沢さん?
いや、一郎はたぶんこの時代なら長兄とか親分肌っしょ? そいつにあっさり続く耕助はきっと下から支える知的な常識人っしょ? 人の会話に乗っかる嘉助はお調子者じゃないですかね。というか、嘉助ってなんか『ソードアート・オンライン』の『キバオウ』的なイメージが俺のなかに……
今回の授業はここまで!
次回をお楽しみに!
あ、俺はやりたいときにやりたいようにやるタイプだから、毎日連載とかしないよ。
たまーに観に来て「ほたちゃんどのくらい進んだかな?」って笑いにくるくらいでいいと思うの。
みんな宮沢賢治とかとっくにやっちゃってるでしょ?
俺、文系は捨ててたから、小学校からやり直してんだよねぇ。
ふふふ……俺のことがちょっと知りたくなったか!
自分がネタになるならネタにするやつだから、そのうち話すかもしれないよ。
じゃあ読んでくれてありがとね。まったねぇ~っと。