告白された
落ちかけの太陽から、柔らかなオレンジ色の光が
広く少しくらい教室に2人の人を映し出す。
とある大学。
時は18時。
今日は漫画研究会の部活がある。
始まる時間。
他の部活も始まっているのか、
窓の外、グラウンドから、
聞き取れないボワンボワンとした音が聞こえる。
それは、人の声か声援か。
「私がノートを貸してくださいって言って、
何も言わず貸してくれたから。」
そんな理由でこの女は俺が良いってゆうのか。
他の人にもお願いしてみたら、
“どうして?”や
“遊んでくれたらね。”
“可愛いね。なんて言う名前なの?”
と、言われて、私は逃げてしまった。
1つでも単位を落としたら、実家の近くの大学に入り直す約束だったから。
初めての一人暮らしで、風邪を引いて、
寝込んでしまって、辛くて。
辞めたくなかったから、頑張って、
声をかけたけど。
ダメだった。
あと1人だけ。
怖くて、
もうやめようかと思ったけど、
あと1人だけ、声をかけてダメなら、
もう、諦めて、実家に戻ろう。
私には家を出るなんて難しかった。
そう思って、声をかけたの。
“この授業の、前回のノート、
見せてください。”
“・・・どうぞ。”
だから、あなたは私を救ってくれたんだ。
この女は、俺の部活にも入ってきた。
同じ部活の人は貴方に似て、優しくて、話しやすかった。
じゃあ、俺じゃなくても良いだろ。
でも、やっぱり、貴方がいなかったら
ここには入らなかった。
だから、私は貴方が好きになったの。
俺はな。
ど変態なんだよ。
俺の震える指先に、
あの時も読んでいた
ちょっぴりエッチな異世界ファンタジー小説。
ただ、あの時は
震えて泣きそうな女に読書の邪魔をして欲しくなくて、早く消えて欲しくて、俺は。
どうぞと、ノートを渡しただけだ。
早く、キラキラした世界に戻りたいだけだったのに。
君は。
それなのに、君はカンチガイしてるだけじゃないか。
俺は、変態なの。
きっと、欲望のまま、傷つける。
大切にとか、面倒くさい。
きっと。
傷つけて、拒絶されて、
今、断るよりも、
めちゃめちゃつらい事になる。
童貞のまま死んで良いのかとか
頭の片隅に囁く声がして、
そうだなと思い、
ほらな、きっと傷つける。
と、やっぱりなと思う自分がいる。
やっと声を出す。
俺は変態なの。
きっと、君を傷つけるよ。
それでも、君が死んでしまうまで、
俺を好きでいて、
去ってしまったりしないなら。
いいよ。
殆ど、
プロポーズかよ。
ほんとは、ごめんって言うだけのはずだったのに。
君はすぐに笑顔になった。
その顔には涙がきらきらと。
鼻の奥から、ツンとこみ上げる。
こちらが、泣きそうになる。
貴方がいらないってゆうまで、ずっと!
続きはこちら。
「付き合った」
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aタグって使えなかったっけ・・・。
どうやるか忘れた・・・。