恋模様いろいろ咲き乱れたり・・・。
ギャグコメディーでラブコメディーをモットーに
書き連ねている本作もゆったりペースで進み中です。
ではどうぞ★
僕の穢れなき無垢なる(ん?表現が合ってないなこれは)
とにかく僕のあこがれの対象である「夏菜さん」に・・・。
金髪の美青年が・・・!抱き着いているではないかっ!!
「うわああああああああああっ!!」
思わずエ○ァの旧劇の前半のラストシーンのシンジくんばりに
大絶叫してしまった僕・・・。
それだけ「真に迫っていた光景」だったのだ・・・。
「ちょっ!離れなさいってばっ!もうっ!!」
苛立ってブラッディーを突き飛ばし、千尋に弁解する。
「誤解!!ちょっと待って!ほんと待って!!
違うの!ことのいきさつを説明させてっ!!」
数分後・・・。
「要するに・・・。この変な吸血鬼さんが
ワインで酔っぱらって夏菜さんに狼藉をはたらいたと。」
若干ムカついたので嫌な表現でまるで嫌味みたいになる。
(別に僕の恋人でも彼女でもないんだけどさぁ・・・
正直面白くはないよね。この展開は・・・。)
こくこくと頷いて「そうなのよ・・・!」
相当慌てていたのかいつになく余裕のない夏菜さん・・・。
(なんでよりによって千尋の目の前であんな
誤解うみそうな状況に陥ってたのよもうあり得ない!)
夏菜さんは夏菜さんで狼狽えていた・・・。
2人はそんな言葉すら交わしたことは無いが、
もう既に傍から見れば「ラブラブバカップル」である。
「相思相愛」というか・・・。
そんな2人を真横でずっと見ていた秋乃が口を開く。
「多分・・・。暫くするとますます混乱の渦と化しそうね。」
「至言キタコレ」ではなく「預言キタコレ」・・・。
透視能力の優れた夏菜の姉の秋乃は大抵のことは今まで
ピタリと的中させがちだったので夏菜さんは嫌な汗をかく。
その時であった・・・。
「ほーっほっほっほっほっほ!!」
聞き覚えのある声で誰かが高笑いをして近づいてくる。
神社の階段を上りながら鳥居をくぐって敷地内に
入ってくるギラギラした女子高生・・・。
そう・・・。千尋を攫ったあの「池之宮琴音さん」である。
千尋は鳥肌を立てつつも何とか平静を装う・・・。
お付きの3人娘を後ろから引き連れてやってきた。
「・・・めんどくさいのが来たわね・・・。」
夏菜さん、うっかりと本音が出る・・・。(笑)
「貴方の全てを奪いにきましてよっ!!」
宣戦布告の様な台詞を吐く彼女・・・。
千尋の方をチラリと見て、「うふふ」と邪悪に微笑む。
千尋は背筋が寒くなっていた・・・。
「全てねぇ・・・。別に私にとってはそんなに大事な
人でもなんでもない男子をよく「奪った奪った」言って
浮かれてたわね・・・貴方は昔から・・・。」
呆れ顔で目を半分にして嫌な顔で琴音を見る夏菜さん・・・。
事の次第はよくわからないんだが僕としてはなんか・・・。
腹立たしい気持ちでいっぱいだった・・・。
「そんなに男の人が周りにいたんですね・・・。」
ボソッと聞こえない様に呟いた・・・。
秋乃はそれを見逃さずに千尋に耳打ちした。
「あの子、昔からあんまり「恋愛事」には興味が
なかったんだけど、見た目が私に似て美しいから
周りからは「高嶺の花」扱いだったのよねぇ・・・。」
自画自賛を込めて面白半分、でも真面目半分に
僕に説明してくる秋乃お姉さん・・・。
まあでも理解はできた。
夏菜さんは確かに「高嶺の花的な美しさがあるから」。
そうこうしていると奥から酔っぱらったままの状態の
変な吸血鬼、「ブラッディー」がよろつきながら出てきた。
目を輝かせ近づきながらこう言い放つ。
「美しい・・・。」
ばっと彼の方を見た琴音さんは自分に言われたと思い、
「ほほほっ!!美形の殿方がわたくしに言い寄ってきましたわ!」
ふふんとばかりにのけぞり、ふんぞり返っている。
・・・が。しかし。
琴音の横を通り過ぎていき、3人の美少女・・・。
そのうちの1人である、ロングヘアーが可愛らしい
清楚そうな可憐な美少女、「小清水さゆりさん」に
近づいて跪いて彼女の左手の甲に軽く口づけた。
さゆりさんは赤面してパッと手を離し、少し怒る。
「何をなさいますのっ?!いきなりっ!!」
そりゃそうだろう・・・。初対面の女子に対する
行動ではないからである。
赤面するさゆりさんをジト目で見る3人娘のうちの
2人、「安西みゆな」と「城坂ゆいこ」が羨ましいと
ばかりに態度がおかしくなる・・・。
それ以上に狼狽したのが何を隠そう「琴音さん」だ。
「わたくしにこんな恥をかかせるだなんてっ!!」
思わずさゆりに突っかかるのかと思いきや、
「神崎夏菜!!覚えていらっしゃいっ!!
貴方だけはわたくし、もう許せそうにないですわっ!
屈辱でしかないっ!!あり得ませんわっ!!!」
殺気に満ち満ちた顔で夏菜さんに近づくなり・・・。
ぼよ~ん・・・。という擬音が聞こえる・・・。
明らかに琴音に何かが障壁となりぶつかる音・・・。
透明なそれは段々姿を現し始める。
「ぬりかべ」・・・・・。もうまさに「ぬりかべ」。
「なっ!なああああああっ?!!」
ハッキリと姿を現す異形の物体(つまり「ぬりかべ」(笑))に
恐れおののいた琴音が「て・・・ててて・・・撤退よ!」
青い顔で何も見てませんとばかりにお付きの3人娘を
引き連れて慌てて階段を下りて行った・・・。
途中で転んで「ズデデデー!」て物音と「きゃー」という
痛々しい「叫び声」がして、なんだか可哀想になる・・・。
自業自得なんだけども・・・。(笑)
ぬりかべの妖怪が夏菜さんに話しかけた。
「なっつん。ダイジョウブダッタ?」
カタコトの様な発音で話しかけるぬりかべに対して
「大丈夫よ?ありがとう。」
僕も生まれて初めて「生のぬりかべさん」を見たよ・・・。
初めは怖いと思ってたけど今は不思議と怖くない。
夏菜さんに手なずけられて微笑んでる様に見えるんだ。
「この子は私のペットの様な昔からのお友達の・・・。
名前は変だけど「ぬりかべのジュリエッタさん」よ?」
嬉しそうに紹介してくる夏菜さんは相変わらず可愛い。
(しかし・・・。ジュリエッタて・・・。名前も凄いが・・・
そもそも「ぬりかべ」って「女の子」だったのか!と
衝撃的な何かを感じ取る僕であった・・・。)
ぬりかべに全てお話が持っていかれた感満載だが、
まだほんのり酔っぱらっていたけど徐々に酔いもさめた
吸血鬼の「ブラッディー」はほんのり顔を赤らめながら
(まあ酔っているせいもあるだろうけども)
さゆりさんとやらに本気で一目惚れしたみたいな顔をして
彼女らが去っていった後の何もない鳥居の向こう側の
下に続く階段の方を見つめながら・・・。
「・・・また彼女に逢えるといいのにな・・・。」と
本気の様な声で呟いていたのを秋乃さんは見逃さなかった。
「恋の嵐が吹き荒れそうな兆しね。」と邪悪な笑みを浮かべる。
続。
なんだかキャラがみんな「濃い」ので
「水の足りないカルピス」みたいな展開です。
(この例えはなんぞや・・・笑)
もっと人間模様(妖怪だらけですが)を
複雑に絡めて「面白く」させていければいいなと思います。
なるべく「長い連載にしたい」ので、頑張ります!!(笑)