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あいつぶん殴ってやる。

前話のつづきです。

ブラッディーは千尋に言われた通りにワインのボトルを持って現れた。「これをどうするの?」ブラッディーは恐る恐る聞いた。千尋は怖い顔で無言になった。「一反木綿のいっくんを借りれないかな?」「へっ?!」「タクシー代わりに使えないかってことだよ。」怒りを少しずつ抑えながらそう伝えた。ブラッディーは急いで一反木綿のいっくんを呼んだ。「あっしを呼びましたかい?どちらまで?」「笹山の住んでるところまで。」暫くの沈黙。「あっし、そこまでわかんねーでげす。すいやせん。」今度は間の抜けた沈黙が・・・。「しょうがない!鈴良を探そう!本人に直接・・・!」それも酷な話だとみんな思って重い空気が流れた。でもそんなこと言ってられない。「鈴良ぁー!」大きな声で叫んで呼んだ。すると境内の陰から彼女が現れた。暗い表情だが千尋の姿を見て少し安心したように嬉しそうにはにかんだ。「千尋はもう来てくれないと思ったにゃん・・・。嬉しいにゃん・・・。」泣きべそをかきそうな彼女の顔に近付き頭のてっぺんをくしゃくしゃした千尋。「奴はどこだ。」複雑な顔で鈴良に尋ねた。「聞いてどうするにゃん?」不安げな顔になる鈴良。「大丈夫だよ。少し話をしたいだけだ。」千尋は彼女を安心させようと普段通りに答えた。「わかったにゃん。」鈴良の言うように空の上から一反木綿のいっくんをタクシー代わりにして笹山のアパートまで向かう。「体、大丈夫か?」空の上で千尋は彼女を心配する。「大丈夫にゃん。千尋が来てくれたから・・・。」「そうか。」「あ、あそこにゃん。」彼女が指を指したところにアパートが見えた。笹山くんは暗い顔で部屋にいた。「嫌われてるだろうな。あの子に・・・・。もう会えないのかな、永遠に。」笹山くんの目が眼鏡の奥で陰っていく。するとその時、大声がした。「笹山ー!出てこいっ!!」千尋の叫びだった。

長くなりなしたが次回辺りにこのエピソードを一段落させたいです。頑張ります。

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