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やっぱり大事だった愛しい人

前話のつづきです。

もう千尋と仲良くしない。そう決意した夏菜。明日はクリスマスパーティーの予定だったのに・・・。泣いて目を赤くして腫らしたまま横になって寝てしまった彼女。余程疲れてしまったのだろう、夏菜は涙を流しながらすうすうと寝息をたてた。可愛い顔の女の子が台無しだ。神様が見ていたら不憫に思う程に・・・。次の日、千尋は夏菜のために買ったサテンのリボンポニーが入った袋を手にウキウキするようなドキドキするような気持ちで神社に向かった。「夏菜さん、喜んでくれるかなぁ。きっとよく似合う。ふふ、可愛い・・・。」ニヤニヤしながら神社の階段を上った。「こんにちはー!」しーーーーんと静かなまま誰の声もしないので千尋は不思議に思った。「夏菜さん?みんなは?」不思議に思いながらも玄関に手をやる。すると、秋乃さんが現れた。「ごめんなさいね?今日はパーティー中止になったのよ。」申し訳なさそうな表情の秋乃。千尋はキョトンとしてしまう。「あ、もしかして夏菜さんが具合悪いんですか?!」急に不安になり心配をする千尋。「うん。まあ、風邪みたいなもので・・・。」秋乃の言葉をさえぎる。「昨日は雨が降っていたからだ!そうですよね?!」「えっ!ええと。」「夏菜さんあんなにクリスマスを楽しみにしてたのに!!可哀想だ!少し顔を見てもいいですか?!」そう言うと慌てて強引に家に入ろうとする。秋乃の制止も聞かずに夏菜の部屋に向かう。「夏菜さん、具合悪いんですか?大丈夫ですか?」部屋に入ると夏菜が寝込んでいた。「何しに来たの?」夏菜が小さい声でそう聞く。「何しにって今日は」「いいから帰って。」「えっ?」「顔も見たくないのあんたの。」一瞬ショックでかけていた眼鏡がずり落ちそうになった。「僕、何かしました?怒ってます?」顔色をうかがうとはまさにこの事である。「ごめんなさい。調子悪いの。」わざと冷たくあしらおうとする夏菜。「そっか。せっかく来たのにな。今日は大事なクリスマスですよ?せめてプレゼントだけでも貰ってくれたら嬉しいんですけど。」落ち込みつつも彼女に優しい千尋。段々夏菜は涙が込み上げてくる。泣き顔を見せない様に必死で顔を横に向けたまま寝ている。「じゃあ、ここにプレゼント置いときますね?また元気になったら来ます。じゃあ。」立ち上がって帰ろうとする千尋に体を起こして振り返る夏菜は思わず「行かないでっ」と小さく叫び抱き着いてしまう。「えっ?夏菜さん?!」千尋は嬉しい気持ちが込み上げてきてフニャフニャした笑顔で彼女の方を見た。すると、彼女が泣いている。驚き、眉がつり上がってしまった。「何があったんですか。夏菜さん?」大好きな大好きな愛しい彼女の美しい泣き顔にそっと両手で触れ、壊れ物を大事にするようにそっと抱き締めた。

甘い感じに最後を締めれましたが話はまだまだこれからなので気を引き締めて頑張って続き書きます。

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